認知症の母が冷蔵庫の脱臭剤を食べて慌てた話

認知症の母が冷蔵庫の脱臭剤、エステーの『脱臭炭』を食べてしまいました。(フリー画像で見つけた写真がすぐ下にあります)

この前、ブログで石鹸の異食(食べてはいけないものを食べる認知症の症状)をするかもしれないと紹介したばかりでした。順を追って、お話しします。

フリー画像で見つけました、これと一緒です

軽めの昼夜逆転から始まった

実は前日の夜から、母はいつもと違う様子でした。

わたしは東京に居て、日課の見守りカメラで母を見ていました。寝る時間になっても気配がなく、22時にパンを食べ、24時にも残りのパンと飲料を食べる母。

時間を理解せず食べていたので、電話をして止めましたが、残念ながら会話が成立しません。どうやら眠くないようで、いわゆる昼夜逆転モードでした。いつもデイサービスに行った日は、疲れて寝てくれます。そのためのデイでもあるのですが、この日は目が冴えていたようで。

24時を過ぎても寝る気配がないので、わたしは朝の盛岡の天気予報をチェック。-5℃と寒かったので、母が居た居間の室温を一晩中キープするために、エアコンを遠隔操作でONにしました。いつもは寝室をエアコンで暖めていますが、こちらはOFFにしました。

もう1つ、夜中にデイサービスの車を待つために、家の外に出る可能性がありました。とはいえ、母はひとりで外を歩けないので、家の外のベンチか玄関に座って待つのですが、寒い夜中に長時間待たれたら、年齢的にも風邪ではすみません。

カメラの動体検知を設定をして、玄関を母が通過したらバイブが鳴るようスマホをセットして寝て、鳴ったらすかさず阻止する臨戦態勢のまま寝ました。結局、朝4時まで母もわたしも寝たので、何事もなかったのですが。

朝になって冷蔵庫から脱臭炭を出した母

母は朝から家の中を動きまわっていましたが、この日はヘルパーさんがお昼に来るだけで、どこにも行く必要はありません。朝4時台からエアコンを遠隔でつけて、ヒートショックにならないよう対策をしました。

朝6時くらいに居間の見守りカメラを見ると、母は朝食の準備をしていました。冷蔵庫に入っていたパックジュース、前日夜の残りのパン、そしてなぜか冷蔵庫のニオイを消す脱臭炭がコタツの上に。上の画像のとおり、プラスチックの透明のケースの中に、真っ黒な炭が入っています。

パンとパックジュースを食べ終え、脱臭炭だけがコタツの上に残っていました。10時くらいに見守りカメラの映像を、脱臭炭の中身が空になっていました。え、どこいった? カメラの録画映像を確認すると、炭は口の中でした。

脱臭炭を食べたあとの対処法

東京に居たわたしは慌てながらも、ネットで情報収集を開始。すると、他社ですが小林製薬のホームページに、キムコ(冷蔵庫用脱臭消臭剤)の誤飲・誤食についてこう書いてありました。

本品で使用されている活性炭は毒性はなく、いずれ体外へ排出されますが、飲み込んでしまった場合はうがいをよく行い、異常がある場合は、本品を持参して医師の診察をお受けください。

引用元:https://x.gd/awBDt

おー、毒性はないのか!とはいえ、万が一ということもあります。念のため、緊急の訪問看護へ連絡。昨年12月に3回も、お世話になっています。

看護師さんと炭の情報を共有しながら、夕方に一度母の様子を見に行くことになったのです。次に翌日予定のあったデイサービスに電話。こんなことがあったので、いつもより注意して見て欲しいとお願いしました。

デイに確認すると、前日はウトウトする時間が長かったようで、おそらくこれで昼夜逆転があって、さらに異食へとつながったのだと理解しました。

見守りカメラの映像で異食を改めて確認すると

母が食べたのは、エステーの脱臭炭。小林製薬ではないので、エステーのホームページも見ました。するとこちらには「万一、まちがって食べた場合は医師に相談する」と書いてありました。毒性はなさそうだけど、訪問看護に連絡してよかったなと。

改めて録画されていた映像を確認すると、まるでカロリーメイトを食べるかのように1口、そしてもう1口。合計6口食べたところで、2回吐き出していました。その後牛乳でゴクリと流し込んでいて、入れ歯の母でも噛める固さなのかと。

念の為ケアマネさんにも連絡しつつ、1時間後に元々の予定どおりヘルパーさんが到着。電話で、次のことをお願いしたのです。

くどひろ

先ほど、脱臭炭を食べてしまったので、入れ歯のお掃除をお願いします。あと冷蔵庫のものは、すべてロックのかかる野菜室に移動してください。寝室で寝なかったので、居間のコタツが失禁で汚れているかもしれません

ヘルパーさんに見てもらったところ、やはり脱臭炭を食べた残りがゴミ箱に捨ててありました。そして奇跡的に、コタツは汚れてませんでした。だいたいこのパターンは、居間の座椅子とコタツ布団と畳が尿で汚れるのですが。

わたしの対策が、正直甘かったです。今までずっと冷蔵庫にあった脱臭炭は、一度も食べたことなかったですから。今後は、あらゆるものを対策しておかないといけません。

今後の対策の話も含めまだまだ話は続くのですが、文字で書くととんでもない量になるので、この続きは音声配信voicyのほうで、2回に分けて話します。

音声配信voicyの最新回は、わたしの大腸内視鏡検査の予告の話です↓

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

この様な誤食もあるのですね。考えつきませんでした。一人暮らし認知症の母の冷蔵庫にも同じの置いてありますがこのタイプはフタがパカッと取れるので、取れないようにテープでぐるぐる巻きにしてみようかしら。冷蔵庫内は色々とこぼれていたり腐食したりで脱臭剤がないと大変なので。

匿名さま

そうですね、わたしも想定外でした。
冷蔵庫の中に何でも保管する母なのでうちも脱臭剤は欠かせないのですが、このタイプは使いません。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか