介護する側が倒れてしまったとき のはなし

介護する側が倒れてしまったら・・・ 介護をする側にとって、こんな想いになることってありますよね?

介護疲れ、介護うつ・・・介護側が抱えるストレス

なんでこんな記事になったかというと・・・
わたし自身が風邪をひいて寝込んでしまい、たかだか2日ですが介護がストップしてしまいました。入院中の祖母のところへ行く予定が、自分がこんな状態では認知症の母を連れて行く事もできず、すべてがストップしてしまいました。

遠距離介護の交通費節約のため、1ヶ月前から新幹線のチケットを予約しておくのですが、キャンセル料も高いので無理に新幹線に乗って移動し、そのままダウンしてまる2日間寝てしまいました。

介護する側が正常ではない時に、認知症患者に話しかけられたら

わたしが38度の熱で、母は認知症・・・。こんなシチュエーションは想像もしてなかったのですが、こういう状況って家族としてうまく振る舞えませんね。例えば認知症の母の同じ質問、『あんた薬、飲んだの?』 『病院はいつ行くの?』 これを具合の悪い自分に何度も言われると、もうさすがに『うるさい!』 って言いたくなります。(もちろん、そういう対応はしません)

通常時は認知症特有のリピート質問には対応できるのですが、これも自分が健康体ならばの話。健康体でないと、自分の体調が優先になってしまい、なんか母が言っているけど、とりあえず黙っててくれ・・・そんな状態になってしまいます。

わたしは熱なのでたいしたことないんですが、これがうつ状態に介護する側がなってしまったら、それこそ大変です。 介護うつは古い2005年のデータだと、4人に1人がなり、特に女性がなりやすいとのこと。

以前ご紹介した 男性介護と女性介護の違いってなに? という記事のデータから見ても、遠距離介護の人は肉体的、経済的に大変ではあるんですが、一定期間介護現場から解放される時間があるので、精神的にはラクという話があります。遠距離介護のハンデを逆手にとって、24時間介護の大変さから比べれば、長距離移動なんてラクと考えるようにしてます。

何が言いたいかというと、自分にもしもの事があった場合・・・というのを想定しながら、介護を進めるのって重要だなと。これは最終的には、このブログのモットーでもある、ひとりでがんばらないという事にもつながります。自分がいなくても回る状況を作りだす事が、自分が倒れても安心につながります。

ヘルパーさんや医療相談室の方、お医者さんなどからお褒めの言葉を頂きます。

『息子さん、東京からの往復で大変ですが、認知症や介護制度についてよく勉強されてますね。』

仕事でもここまでほめられない(笑)ので、うれしいのですが、まだまだですね・・・ ひとりでがんばらない、人にお願いをする遠距離介護を目指すということは、最初は自分自身が努力しないとだめですよね・・・ ケアプランの組み方ひとつで、認知症の母の進行度は変わりますし、祖母の子宮頸がんも、余生をいかに楽しくすごしてもらうかは、施設の見極めが必要だし・・・・

とにかく、自分自身も努力が必要ですが、遠距離介護なので、やっぱり使える制度はフルに活用していきたいです。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか