認知症介護で電子レンジが使えないときの新しい解決方法

認知症の母は、電子レンジを「なんとなく」使えます。

「なんとなく」とは、電子レンジの電源はONできるのですがそれ以外の設定ができません。例えば食材を温める時間やワット数の設定が分かりませんし、漆塗りの食器を電子レンジで温めて変形させたこともあります。

なので電子レンジを使えない前提で、母の食生活を考えなくてはいけません。以前は電子レンジではなく鍋やフライパンにわざと料理を残しておき、使えるガスで料理を温めてもらっていた時期もありました。

ガスで温める方法で頑張ってきましたが……

しかし鍋に残した料理をレンジ非対応の器に入れ、そのまま電子レンジの中に放置して数日後に見つかるなんてこともありました。丸美屋の麻婆丼を何年も作り置きして、母に食べてもらっていたのですが、そのルーティーンも今は通用しなくなりました。

宅配弁当を利用した場合も電子レンジ問題にぶつかるので、検討はしましたが利用は考えていません。工夫を重ねてきたのですが、最近は全く違う発想でこの問題を解決しようとしています。

食材の総力戦で挑む!

電子レンジで温める必要がなく、すぐに食べられるものを用意するようにしました。

わたしは帰京する日の朝に、母の夕ご飯を用意していきます。冬は寒いので保存の問題はないのですが、夏は腐る心配もあるので下記の食材を夕ご飯にしています。

  • 果物(バナナはヘビロテ。イチゴ、みかんなど)
  • 菓子パン
  • お菓子(ビスケットやおせんべい)
  • 和菓子(まんじゅう、どらやき。餅系は避ける)
  • プロテインバー
  • 200mlの豆乳(小さいサイズで過食を防ぐ)
  • ヤクルト(小さいので飲み過ぎても平気)
ある日の夕食(菓子パン、せんべい、バナナ、お薬)

プロテインバーは、家電批評で連載中の「ウチのおかんがボケちゃいまして」で、認知症介護中のライター岡野さんのアイデアを拝借しました。パッケージから味が想像できないせいか母は好んで食べませんが、いわゆる栄養食品はストックしておこうと思ってます。

夕ご飯にふさわしくないお菓子や菓子パンまで活用して食事にする、まさに総力戦です。栄養面は多少目をつむる必要はありますが、何も食べないよりはいいのでこんな形になっています。

前回のブログ記事で、デイサービスの食事が栄養の軸となっていると書きました。最低週3回は栄養のバランスの取れた食事をしてもらって、あとの食事は多少犠牲にしてもやむを得ないという考えです。遠距離介護の限界でもあります。

こういうひどい食事は、わたしが帰京するタイミングや仕事で外出するときのみですが、とにかく電子レンジが使えないといろいろ不便です。

ヘルパーさんもほぼ毎日入っていますが、1日3回来るわけではないのですべての食事はカバーできません。

本来温めて食べる料理が冷めていると、食べてもらえません。それなら温めなくてもいいものと考えて、この形になりました。とはいえまだ確定ではないので、さらに工夫を重ねていくつもりです。

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6件のコメント

マカロン(VoicyHN)です。いつも有益な情報をご提供いただきありがとうございます。

我が家は非常食として「YSフーズのクイックディッシュ」を常備しています。Amazonでも購入できます。
メーカーに問い合わせたところ、温めずにそのまま食べることが可能だそうです。

ただ、お母様は「温かいものが冷めていると食べない」とのことですから、これを召し上がっていただくのは難しいでしょうか…。

良い解決策が見つかるといいですね。

マカロンさま

なるほど、非常食の発想はありませんでした!
クイックディッシュ、コープデリでは買えそうですけど、amazonはどこだろう?

いろいろ食事を試している話は今後ブログで出てくるので、その中のひとつとして一度食べてみたいと思います。

レンジ で簡単 お皿いらず レトルト おかず お惣菜5種 ご飯と食べたい 和食 お惣菜 鯖の味噌煮 鯖の塩焼 https://amzn.asia/d/gmBWjcx

こちらがAmazonのリンク先になります。

この商品はトレイつきなのがいいですね。

マカロンさま

こちらのリンクは、YSフーズでもクイックディッシュではなく電子レンジで加熱が必要なものかな? と思いました。
でも常温で食べられるものの発想で、いろいろ探してみます。ありがとうございます!

たびたび失礼します。
さきほど(株)YSフーズさんに問い合わせました。

Amazonで販売されている「ストックおかず」シリーズも、「クイックディッシュ」シリーズ同様、電子レンジで温める必要はないそうです。
ただ、「ストックおかず」の方は、時折タレが固まっている商品があるということでした。

ブランド名が違うだけで、基本的な製法などは一緒とのことです。

私の離れて暮らす母は電子レンジを使わないし、カセットコンロを使いこなせるか?も怪しいので、災害用の備蓄品として、今回メーカーに問い合わせて色々聞けたことは良かったです。

ありがとうございました。

マカロンさま

あら、お問い合わせしてくださってありがとうございます!
なるほど、それならAmazonで購入できますね。コープデリに入会して、頼もうかなと考えていたところでした。
1つ目の候補が明日到着するので、まずはそちらを食べてから次に食べてみますね。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか