介護は「ここに存在しているだけで価値がある」と思えるか?

「嫌われる勇気」という本はご存知でしょうか?

Amazon 2014年上半期ランキング1位なので、すでに読んだ方も多いかと思います。ジャンルでいえば、自己啓発。介護とは無関係?と思いきや、ある章の内容にハッとさせられました。今日はこちらをご紹介します!

「ここに存在しているだけで、価値がある」の章

誰かの役に立ててこそ、自らの価値を実感できるという議論の中で、下記文章が出てきます。

祖父は現在、施設に入って寝たきりの生活を送っています。認知症のおかげで子や孫の顔もわからないし、とても介護なしでは生きていけない状態です。どう考えたところで、誰かの役に立っているとは思えません。

という投げかけに対して、

たしかにその観点から考えると、寝たきりのご老人は周囲に世話をかけるだけで、なんの役にも立っていないように映るかもしれません。そこで他者のことを「行為」のレベルではなく、「存在」のレベルで見ていきましょう。他者が「なにをしたか」で判断せず、そこに存在していること、それ自体を喜び、感謝の言葉をかけていくのです。

この言葉、深くないですか??

「行為」ではなく、「ここに存在している」 ただそれだけで他者の役に立っているし、価値があるということです。介護ストレス というのは、誰でもあると思います。そんな時、この本のこの言葉を思い出す事で、いろんなものが吹き飛ぶのではないでしょうか?

「存在」 だけで価値がある 

「嫌われる勇気」 という本から、介護の本質を知らされるなんて、思いもしなかったなぁ~

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

岸見 一郎, 古賀 史健
1,600円(10/04 06:46時点)
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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか