認知症介護中に自然と撮り溜めた写真を放出

スマホの写真の整理をしていました。

そしたら認知症介護中に撮っていたけど、ブログでも他メディアでも使っていないと思われるものがたくさん出てきました。これは見せられないと判断した介護の生々しい写真も結構ありましたが、大丈夫かもと思えるものも。そちらをご紹介します。

認知症介護中に写真撮影をする意味

実家で認知症介護中にあれ? これなに? って思ったら、スマホで撮影するのはこのブログのためでもあるし、他メディアでの執筆のためでもあります。でももうひとつ大切な役割があって、それは介護者である自分のイライラを鎮めるためです。

何でこんなことに! 母の想像を超える行動に思わず叫びたくなる場面でも、スマホ片手に撮影すれば妙に冷静になれます。撮り終わった写真を数日後に見れば、思わず笑ってしまう日もあります。介護者の自分の心を鎮めるため、落ち着かせるために写真を撮ってます。

認知症介護中に撮った写真

認知症の母は冷蔵庫と食器棚の区別がつかない日があって、わが家ではあまりに日常で最近は写真を撮っていませんでした。母に食器を洗ってもらっていますが、戻す場所が分からなくなるので、キンキンに冷えた食器が冷蔵庫の中によくあります。

これもあまりに日常過ぎて写真を撮ってないと思ったら、ありました。母はテレビリモコンをいろんな場所に片づけて紛失しますが、寝室のタンスの中から出てきます。謎の行動に何かしら理由があると思っているのですが、居間から寝室に持っていく理由は未だに不明です。

同じくテレビリモコンです。なぜか寝室の枕元に置いてありました。そこでは使い物にならないリモコンですが、眼鏡とひも? と一緒でした。白内障の手術後は眼鏡を使っていないので、懐かしいと思った写真です。眼鏡探しも日常だったな~

これはtwitterでアップしたような気がするのですが、母とピザを食べたときの写真です。これはどこのピザなの? いくらなの? と食べ終わるまでエンドレスに質問されました。とうとう我慢できなくなって箱に値段を書き、さらに「窯」が読めないのでふりがなをふりました。

若干生々しい写真です。このブログのどこかにアップしたかもしれませんが、ゴミが冷蔵庫や冷凍庫からよく出てきた頃の写真です。食器をどこに片づけるのか分からなくなる感覚と近いのかなとわたしは思っています。

改めて写真を見直すと、自分の感覚がどんどん鈍くなっていると気づきます。

一般的には不思議に思えることでも、何度も見ているうちに日常になって撮影しようと思えなくなっています。それはつまり驚かなくなっている、慣れている、イライラしなくなっているということです。鈍感力が磨かれる=介護ストレスは軽減されると考えています。

音声配信voicyの最新回は、10年前から言われ続けてきた言葉をまた最近言われた話です↓

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

7件のコメント

遠距離介護お疲れさまです。

実家で、父の通帳、印鑑、引き出したお金が、無くなり真っ青になりました。心当たりの場所は見ましたが見つかりません。夫が、冷蔵庫の中は?と言うのでまさかと思い見てみました。冷蔵庫の中にはありませんでしたが、傍にあったお茶菓子を入れる食器の中に食パンが入った袋と一緒に入っていました、、、

とりあえず、見つかって良かったです。

うちは車椅子クッション周りの隙間から食べ残したメンチカツや餃子などの一部がよく出て来ます。
食事を残す事など許されなかった世代の人だからなのだろうと思います。

見守りカメラさま

残すことを許されない世代、本当にそうですよね。
うちは過食があるので、わたしが何度か注意したことを覚えているのか、カーテンの後ろに食べ終わったお菓子の袋とかヨーグルトの容器とかよく出てきます。

うちは下駄箱、トイレの棚、ベッドの下の引き出し、仏壇の引き出し、食品倉庫かな…

読む読まないは別として、リモコン、ティッシュ箱など移動出来てしまうものは基本的に紙テープで表示してます。”1階テレビ”とか…自分も分からない場合があるので…
注意事項もメモ用紙で目のつきそうな位置に貼り付け。”ゴミ捨ては月曜日””線は抜かないこと”等など…
リビングはメモだらけ…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか