認知症の母との洗濯物争いに勝利するために考えた新アイデア

認知症の母が乾いていない洗濯物を取り込んでしまい、生乾き臭のする衣類が増えたり、濡れたままのタオルがタンスに片づけてあったりして困っている話を、このブログで何度か書きました。

洗濯物
わたしの遠距離介護中は母の目の届かないところで洗濯物を干して、乾いたら母のところへ持って行って畳んでもらうようにしています。

ただ太陽がさんさんと照っている日は、日光のたくさんあたる場所で干したい!なので洗濯物を外に干し、そのことをすっかり忘れて仕事に没頭。洗濯物を母に見つけられてしまい、乾いてない洗濯物を取り込まれてしまったことが何度もありました。

母は物干し竿から洗濯ハンガーごと取り込みます。手足が不自由なので壁伝いで歩きつつ、それでいて洗濯ハンガーを持ってます。当然洗濯物をズルズルと引きずることに。

気持ちとしてはありがたいんですよ。どんなに認知症が進行しても母親の仕事と思って頑張る母は偉い!だけど洗濯物は乾いてません。濡れたぞうぎん代わりになって、床のゴミたちを拾ってしまうのです。

見つけたら「ダメー!さっき干したばっかりー!」とか言いながら、家の中を猛ダッシュする日々。何かいい方法はないだろうかと、数か月考えた結果このようにしました。

物干しの場所を新しく作った

母に見つかりにくい場所に、洗濯物を干せばいい!

そう思って家の外に新しく物干し場所を作ろうと、家の周囲を見渡しました。コンクリートの壁が多く、物干しの設置は簡単ではありません。1カ所小庇(小さな屋根)がついた窓が見つかったので、そこにAmazonで購入した突っ張り棒タイプの物干しを設置することにしました。

でも物干し竿はわたしだけではなく、ヘルパーさんも使います。もし外に洗濯物を干したままにして風で飛ばされたら、雨に濡れたら、雪が降ったらと考えると、外より中に設置したほうが良さそうです。家の中に設置場所はないか?

縁側の廊下に使っていなかった障子の木枠の扉4枚やテーブルがあって通路を塞いでいたのですが、それらを全部撤去してスペースを作り、そこに突っ張り棒を設置しました。ゴミの廃棄にえらく時間がかかってしまいました。

母が多くの時間を過ごす居間とは距離があるので、濡れた洗濯物を取り込まれる回数は減りました。ただ稀に母が近くのカーテンを開けるときに気づいてしまって、また洗濯物をズルズルと引きずる映像が見守りカメラに映ってます。

さらに洗濯物を隠すための「のれん」もつけてみました。40年以上前から使っていたボロボロのものでテストしてます。こんな認知症介護の形ってあるの? なんて思いながらやってます。

洗濯物を隠すためのボロボロのれん

今回の対策は70点くらいの出来でしたが、真夏はすぐに洗濯物が乾く場所なので効果ありそうです。問題は真冬、秋までには乾燥機をどうするか決断しないと。

音声配信voicyの最新回は、最近2回個人調査を受けたお話です↓

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか