認知症介護の視点で気づいた新しい入れ歯の問題点

8月上旬に、母の新しい上下の入れ歯が完成しました。

母は上の歯が1本、下の歯が4本くらい残っている以外は入れ歯で、見た目は総入れ歯のように見えますが、全部ではないので部分入れ歯というようですね。

なぜ入れ歯を作り直したのか、新しい入れ歯になって分かった認知症介護的な問題点のお話です。

入れ歯を作り替えた理由

そもそも入れ歯を作り替えた理由は、2024年1月に差し歯が取れたところから始まります。

差し歯が取れたあと、同じ場所に差し歯がつけられなくなって入れ歯の形が変わり、作り替えが必要になったのですが、応急処置的な対応をしました。

しかし3か月後、母が骨折した際にわたしが入れ歯の掃除をしていたら、パキッと割れてしまったのです。何度も母を連れて歯医者に通院していたので、医師からこれは作り替えたほうがいいと提案され新しくしたのです。

途中、骨折のため車椅子で通院しましたし、わたしが東京から遠距離介護で通っていることも医師は知っていたので、かなり大変そうに見えたのかもしれません。

4月から新しい入れ歯の製作が始まって、毎月型どりのために通院して4か月ほど経ってやっと完成。新しい入れ歯が完成したあとは、調整のため2週間で4回ほど歯医者へ行って、さらに来月ももう1回調整のために歯医者へ行きます。

新しい入れ歯にした意外なメリット

入れ歯が新しくなったことで、強度は増しました。おそらく前の入れ歯のように、すぐに割れることはないと思います。

他のメリットとして、入れ歯のバネの部分がしっかり残っている歯に引っかかるようになって、前よりも入れ歯が外れにくくなりました。

前は簡単に外れたので、母が違和感から入れ歯を外してしまい、わたしが入れ歯探しをしなければならないことがたびたびありました。この前なんてトイレットペーパーにくるまれた状態で寝室に落ちていて、寝ているときに無意識のうちに外したようです。

割れないだけでなく、紛失する可能性がなくなったのは意外なメリットでした。念のため、前使っていた入れ歯もなくしたときのバックアップ用として頂きました。ただ使っていないと合わなくなる可能性もあるので、どこまで効果を発揮するかは分かりません。

デメリットは、入れ歯を外しづらくなった分、歯みがきが疎かになることです。でも歯ブラシや歯磨き粉を母はいろんなところに片づけてしまい、そもそも疎かになることは多かったので、入れ歯だけのリスクではありません。

デイサービスでの口腔ケアで何とかするしかないと思っています。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか