介護と仕事の両立で悩んだら『介護離職が頭をよぎったら整えたい仕事家庭自分自身のこと』を読みましょう!

介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと

2025年7月22日発売、『介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと』(翔泳社)を読みました。本の表紙(装丁)を見て、あっ!と思ったブログ読者の方も多いのでは?

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購入のきっかけ

著者の和氣美枝さんは、一般社団法人介護離職防止対策促進機構(KABS)を立ち上げ、現在も代表理事として活躍されています。ご自身も介護離職を経験し、現在は要介護5のレビー小体型認知症のお母さまを介護されています。

わたしは2016年の『介護離職のない社会を目指す会』で一緒に登壇しまして、その後は介護仲間として少しお付き合いがあります。今回7年ぶりの著書で、しかもわたしが2作品書いた翔泳社のシリーズに新しく加わるということで、そりゃ購入するよって話です。

介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと
ブログ読者の皆さまにもおなじみの装丁
こちらがわたしが書いた本

本の構成

各項目見開きで右頁に文章、左頁に図表という作りです。わたしの本を購入されたことがある方なら、おなじみのフォーマットですぐ分かると思います。読みやすさに加え、実用書なので辞典のように何度も見返して使えるような作りになっています。

目次は下記のようになっていて、企業の人事部に向けた項目も多いのかなと勝手に予測していたら、想像以上に介護者向けの本になっていました。

第1章 キャリアと介護は両立できる?
第2章 離職しないための基礎知識
第3章 家庭環境の整え方
第4章 職場環境の最適化
第5章 自分の心の守り方

和氣語録を探してみた

過去の著書の中で、和氣さんは「わからないことがわからない」と書かれてました。自分がどういう状態にあるか分からない介護者を言い表したキャッチーな言葉で、未だに覚えています。

今回もそういう語録になりそうなものないかなと思って読んだら、ありました!「私でも仕事と介護の両立はできますか?」という質問に対する答えがこちら。

できるかどうかではなく、やるかやらないか

そうそう。介護離職において自らの意思が最も大切であり、それを一言で言い表した言葉です。
もう1つ、これいいなと思った表現がこちら。

「仕事と介護を両立する」というと、「どちらにも平等に労力を割く」ことだと考えるかもしれません。(途中略)「両立」とは、「両方ともできること」。つまり、介護に関わりながら仕事を続けることができれば、仕事と介護を両立できているといえるでしょう。

わたしが講演で伺った企業でも、介護と仕事の両方を同じくらい頑張ろうとしていた社員さんがいました。でもこの両立の考えが頭にあれば、肩の荷を下ろして両立ができるはずです。

本の感想

介護経験者は、文章からその人が介護をしているかどうかすぐに分かります。内容に深みがないと思ってしまう本もある中で、要介護5のお母さまを現役で介護されているからこその家族介護者向けの文章になっていました。

和氣さんはキャリアコンサルタントでもあるので、キャリアと介護を絡めて書かれている点も参考になると思います。わたしも介護離職を単体で語るのは好きではなく、背景にあるキャリアとセットで考えてこそだと思っています。

個人的には、自分の介護離職の講演の答え合わせになりました。図表の出典を見て、自分も同じものを使っていたから大丈夫とか。もっとディープな介護離職の資料や企業・個人の事例を知りたいと思いましたが、そんなニーズは自分くらいしかないので出版社が許しませんよね。

認知症介護や一般的な介護の本と比べると、介護離職を扱った本はそれほど多くありません。わたしもいくつか読みましたが、この本が最も介護者に寄り沿った実用的な内容になっているので、介護離職が頭をよぎった方は、迷わずこちらを購入したほうがいいです。

介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと

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和氣 美枝
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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(82歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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