認知症の経過報告(11週間目・12週間目)

フェルガード

認知症の母(69歳)が、コウノメソッドと出会ってどのような認知症の経過をたどるのかをブログに書いてますが、この週は初の試みです。でもその前に、途中から読まれた方のためのおさらいです。

認知症の母の状態と、現在行っている認知症治療

・コウノメソッド実践医にアルツハイマー型認知症(軽度)と診断されたのが、2013年4月上旬?
・おそらく1年前くらいに発症、祖母が子宮頸がんで入院して家で1人になってから一気に悪化
・現在服用しているのは、フェルガード100Mのみ。1日2包服用を服薬管理タペストリーを使って、本人が管理

初の2週間空け

アルツハイマー型認知症という正式な診断後、わたしは東京と実家を隔週ごと(1週間は実家にいて、その次の1週間は東京)に滞在する生活を送ってきましたが、今回は妹が長期休みに入るということで、テスト的に2週間ひとりで母が生活したらどうなるかというのをやってみました。だからタイトルが2週分になってます。

正直言うと、1週間おきに行ったり来たりするのも、それはそれで疲れます。遠距離介護の宿命です。でも・・・・、2週間も認知症の母をひとりで実家で生活させる、そしてそれを東京からSkypeのみで監視するっていうのは、心配で心配で・・・

とはいえ、この先どれくらい続くか分からない、認知症介護の中でこういう期間は絶対にやってくるので、テストしてみました。

2週間の間の出来事って?

まずは電話。2週間も空けば、たぶん1回くらいは電話してくるだろうと思っていたのですが、結局1回も電話が来ることがありませんでした。Skypeで居間の変化を毎日見ていても、特におかしな感じもありません。

妹が実家へ様子を見に行くと、どうやらいつもの ”被害妄想” はあったようで、

『梅の木の剪定をお願いしたら、これっぽちで仕事になるか!』 と業者に怒られた

と。そんな高飛車な業者はいないだろうなぁ~と思いつつ、田舎にはたまにそういう横柄な態度をとってもビジネスが成り立つので、そういう人もいたりするんですが・・・わたしのジャッジは、これは被害妄想だろうと。

母は、いつもいろんな人に怒られているので(妄想上で)、わたしにはみんな悪者にしか見えません(笑)

認知症によくあるマイブームとは?

認知症の本をいろいろと読んだので、どれかに書いてあった事なんですが・・・(すみません、本のタイトル忘れました)認知症の人は、何度も同じ話を繰り返しますが、それは短期(1時間や1日という単位で何十回も)パターンと、うちのように長期(半年以上)というパターンがあります。

これをわたしが勝手にマイブームと名付けますが、要はその期間、認知症の人が ”執着” する期間です。

うちは短期と長期が両方あるんですが、長期が起こるうちならではの理由としては、

1.母には友達もいない、近所づきあいもないので、1人で同じ事をずーっと考え続ける
2.母には趣味がなく、実質妄想が趣味みたいになっている
3.シャルコー・マリー・トゥース病もあって、なかなか外出ができない

これを回避すべく、わたしがやったのが、ケアプランを組んでヘルパーさんや看護師さんを家に来る機会を増やして(週3回)、外部の人と話す時間を作る。わたしが実家に帰った時は、とにかく外出させて外食するとか、買い物へいくなど刺激を与え続ける という事をやってます。

それでもこの2週間はひとりでいる時間の方が圧倒的に多かったんですが、マイブーム(執着)が ”業者” に変わったという変化です。認知症の人が何かに執着した時の対処って、

『次のマイブームが来るまでは、今のマイブームは終わらない』

んだそうです。だから嵐が過ぎるのを待ちつつ、唯一やる事は ”不安解消”です。不安が解消されれば、たとえウソの答えでもブームが終わることがあります。うちは不安解消したくとも、その不安の元が事実なのか、そうでないのかわからないんですよ・・・

『うちの母が、あなたに怒られたって言ってるんですけど・・・』

とは聞けないので、なかなかうまく不安解消ができません。また、うちのように外的要因で何かしらの刺激がない場合は、次のマイブームがなかなかこない・・・・、が、今回やっと次のブームがきた~!!

結論

母に次のマイブームが来たので、わたしとしては同じ話を何回も聞かされる地獄からは、一応脱出しました。

フェルガードについての詳細記事は、フェルガードという米ぬかサプリメントとコウノメソッドのはなし に書いてあります。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか