認知症の経過報告(45週間目)・人間は同じ事を何度まで我慢して聞けるのかの答え

認知症の母(70歳)が、どのように変化していくかをブログで報告しています。

45週間目は東京に滞在。先週はソチオリンピックが、まさかの大きな介護ストレス(詳しくは前週参照)を生み、疲れたまま帰京しました。昨年の今頃は、交通費月10万越え&深夜バス移動、でもってサラリーマン生活。

深夜バスの利用も止め、新幹線での遠距離介護。帰省頻度も月2往復から1往復にし、長期で帰省するように変更しました。条件的には疲れないように、そしてお金もかからないようにと工夫してきたんですが、やはり疲れるものは疲れるんですね~

帰京したその日&次の日は、妙な解放感があって、かなり爆睡します。帰京して3日目くらいから、通常の生活に戻る・・・そんな生活が数か月続いています。母と一緒に過ごすだけで、なんか疲れるんですよね~

想像以上に

「同じ事を何回も何回も我慢強く聞く」 

という行為が、介護ストレスを生んでいるようです。以前記事にしましたが、5回までらしいですよ、人間が同じ内容を聞くことができる限度は。わたしも5回過ぎると、

「さっきもそれ言ったよ、これで5回目!」

と、”怒らずに” 指摘するようにしています。問題は、この5回に達するまでの時間です。我が家の場合、この5回を ”3分以内” に達成してしまうことがあるんです!(笑)。これが10分、30分、1時間と経過すると、リピート回数はどんどん増えます。なので部屋から逃げたり、風呂に入るようにしています。

東京滞在中は正直、経過報告のネタもあまりない事が多いのですが、45週間目は電話がよく鳴る週でした。

認知症の母の状態と現在行っている認知症治療

・コウノメソッド実践医の診断が、アルツハイマー型認知症からピック病に変更
・おそらく1年前くらいに発症、祖母が子宮頸がんで入院して家で1人になってから一気に悪化
・サプリメントのフェルガード100M(1日2回)のみに変更

リハビリを勝手に断る

今月より始めた、シャルコー・マリー・トゥース病のリハビリ。

歩けなくなると今後さらに大変になるので、どうしても受けて欲しいリハビリです。水曜日の夕方に作業療法士さんから、電話があり、

「本日訪問したところ、玄関に貼り紙が貼ってあってリハビリをキャンセルしたいと」

最初は全く意味が分からなかったんですが、すぐに推測がつきました。結局、

「その日にあった歯医者の予定を ”利用して”、 リハビリをキャンセルした」

のです。確かに歯医者の予定が夕方にあったんですが、リハビリは午後一。全く影響ない時間なんですが、リハビリが嫌いな母は、

「歯医者の予定があるので、本日はリハビリをキャンセルでお願いします」

と書いたのです。今後の対策としては、

1.わたしがリハビリの予定を書かずに、いきなり訪問する仕掛けにする
2.リハビリを断る連絡があっても、無視して訪問するようにする

このようにしました。ゴミ捨てや買い物を勝手に断る ”くせ” がある母。ヘルパーさんは1年以上お世話になっているので、断りぐせ を分かっていて、無視して訪問してくれます。これをリハビリにも適用する作戦です。母は、

「断りの電話をしたことを忘れる」

んですね。だから、無視して訪問しても、普通に受け入れてくれます。こちらの件が終わったら、さらに電話が鳴りました。

ニトリから電話が来る

いいね!を29個も頂き、反響があった?「親家片」の記事。この記事で出てきた食器棚をニトリに廃棄処分してもらいつつ、新しい食器棚が届く日を設定して帰京しました。どんな感じで設定したかというと、こちら↓

syokki

汚い字ですみません・・・ 食器棚が来ると分かってからの母は、

母: 「何日に来るの?何時? 何色の?高さは?幅は?」

って、もー、しつこいのなんのってwww  食器棚は結構早めに片づけてしまったので、新しい食器棚が到着するまで10日間ありました。その間、毎日この質問を受けるので、いやになってこちら作成しました。

ポイントは 「写真」 で示すということです。カラープリンターがないので、

スマホで撮影 ⇒ USBにデータを移し ⇒ セブンイレブンのプリントサービスでLサイズの写真にする

という事をしょっちゅうやってます。新しいヘルパーさんが来た時とか、新しく関わる人が増えた時は必ずこれやってます。認知症だからしょうがないんですが、一番効果があるのがこの 「写真」 です。食器棚の質問も、写真で日々回答していたんですが・・・・

ニトリ: 「引き取るはずの食器棚がありませんでした」

わたし: 「えーーーー」

玄関そばに食器棚を移動しておいたんですが、なぜ電話が鳴ったかを推理しました。

1.母が食器棚を移動しておいたことを忘れて、ニトリに伝えられなかった
2.ニトリが玄関そばの食器棚を、完全に見落とした

この2つが重なって、翌日の引き取りになりました。食器棚が来る日付、その写真まではよかったんですが、引き取る食器棚の場所を書かなかったのが、わたしのミスです。

東京に帰ってきても、やはり心休まらず・・・・


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか