6月1日朝、こちらのニュースを見て、キター!と思い、前回の出版の記事を差し替えようかと思ったぐらいでした。
認知症の進行を遅らせる「アリセプト」(一般名ドネペジル)などの抗認知症薬には、少量から始めて有効量まで増量する使用規定がある。規定通りに投与すると、患者によっては興奮や歩行障害、飲み込み障害などの副作用が出て介護が困難になると医師らのグループが指摘していた。
引用元:http://mainichi.jp/articles/20160601/k00/00m/040/153000c
ちなみにアリセプトの添付文書(下記画像)になんて書いてあるかというと、
3mgからスタートして、1-2週間後に5mgに増やして、高度のアルツハイマーの方なら4週間後には10mgにしてと書いてます。「増量規定」と言いますが、ある期間が来たら、お薬を増やすようにと書いてあります。
この添付文書のとおり処方したら、なんかおかしい・・・むしろ認知症の症状が悪化している という方が山ほどいると教えられたのが、「コウノメソッド」です。約4年前、このきな臭い感じを勉強したおかげで、母は今も笑って生活してます。
未だ、この添付文書を信じて疑わないお医者さまも、たくさんいらっしゃいます。そのお医者さまを、信じて疑わない家族もいます。結果、今もこの事実を知らずに苦しんでいる方は、いっぱいいると思います・・不幸すぎます。
今回のこのニュースは、この規定よりも少量で処方することを認めるというお話です。アリセプトがいけないのではなく、この処方する量に問題があるのです。具体的には1.25mg、2.5mgのような少量で処方をします。
レセプト(診療報酬明細書)というものがあって、わたしたちは窓口で1割や2割の支払いをしますが、残りは病院が市区町村や健保に請求して報酬を得ます。
ところが、認知症のお薬を少量で処方したことで、このレセプトが認められない地域もあり、またそれを恐れる医師(報酬がカットされる)は、決められた通りの処方しかしない・・・結果、認知症の症状が悪化するということが、あちらこちらで起きているというわけです。
もうひとつ言うなら、国の社会保障費です。ムダに薬を処方したら、社会保障費も増えます。少量でいいなら、社会保障費も抑えられます、そういう意味でこのニュースは、ものすごく画期的なわけです!
一般社団法人 抗認知症薬の適量処方を実現する会
こちらのサイトには、認知症のお薬による副作用の事例がたくさん載っています。多すぎて改悪した、止めてみた、減らしてみたら改善されたという事例が報告されています。
たぶん、わたしのような素人が発信したほうが、小難しい感じもなくスーッと多くの人に伝わるかと思います。すぐに変わることはないかもしれません、でも救われるご家族もたくさん増えると思います。
お薬や医師を疑うなんて発想、普通は起きません。しかし、ニュースに書いてあるとおり、おかしいと思った医師が声を挙げてそれが認められたということは、認知症の世界においては、やはりおかしかった例もあったわけです。
アリセプトの添付文書の一番下にある「家族などの管理のもとで投与すること」の文字。家族もしっかりみなさいよってことですね、どれだけの方がこの文書を目にしているだろうか・・・
最後に長尾和宏先生(この会の代表理事)のツイートをご紹介して終わります。
今回の厚労省の通達の意義は3つある。1)抗認知症薬の増量規定を撤廃したこと、2)易怒性や暴言を副作用を認めたこと、3)少量投与を認めたこと。これで「薬害認知症」が少しでも減ることを願っている。
— 長尾和宏 (@dr_nagao) 2016年6月2日
認知症学会幹部の中にも私たちの主張に全面的に賛同の意を表していた医師はたくさんおられた。今後は、匿名ではなく、堂々と「薬はさじ加減を大切にその人にあった量を投与しましょう」と言ってくれるだろう。
— 長尾和宏 (@dr_nagao) 2016年6月2日
問題は、この通達が現場の医師や保険審査をする医師にどう周知されるかだ。増量規定という洗脳教育が浸透していたため、周知するのは容易では無い。だから今回の通達は第一歩にすぎず手放しで喜ぶには早すぎる。マスコミのみなさまの力、市民のみなさまの後押しをよろしくお願いします。拡散希望!!
— 長尾和宏 (@dr_nagao) 2016年6月2日
今日、記者会見をする目的のひとつは、大手マスコミにもこの快挙を報道して欲しいから。大手マスコミは、あらゆる製薬企業がスポンサーについているのでこの最重要な問題を扱えなかった。いわゆる「認知症ムラ」の一員だった。だから大手マスコミの今後の動向に注目したい。
— 長尾和宏 (@dr_nagao) 2016年6月2日
また、医療界の反応にも注目したい。いまだに、NHKや講演会で「易怒性は副作用ではないので絶対に中止してはいけない」と主張されている認知症の大家たちは、今回の通達をどう受け止めるのか。受信料を払っている国民は、NHKの今後の対応にも注目して欲しい。
— 長尾和宏 (@dr_nagao) 2016年6月2日
今日もしれっと、しれっと。
アリセプトを高容量で続けると、低活動性せん妄と嚥下障害の為、食事を食べられなくなるケースがいます。
アリセプトの副交感神経刺激作用で、著しい徐脈になるケースもいます。
この様な重篤な副作用報告は、厚労省にも届いています。にも関わらず、全く動けなかった厚労省がやっと動いたという事でしょう。
今までのケースですと、販売中止に追い込まれてもおかしく無いと思われます。少量投与の承認は、副作用の軽減作だと私は理解しています。
もっとも、アリセプトは少量でもレビーに使用する気に成りません。レビーの症状出現には、迷走神経過緊張による脳の血流不全が、大きく関与していると思われるからです。
アリセプトで低活動性せん妄になったケースには、ごく少量のアリセプト(0.5〜1mgかそれ以下)の使用も困難になう事がほとんどでした。
私の経験では、アリセプト10mg+メマリー20mgと言うケースで、副作用がい
小関先生
>今までのケースですと、販売中止に追い込まれてもおかしく無いと思われます。
やはりそういったレベルなんですね。レビーのことにも触れようかと思いましたが、添付文書の掲載のみにしました。過敏性があるレビーにアリセプト・・・話には聞きますが
わたし自身あまり詳しくないので書きませんでした。
コメントの続きが、とても気になります。
すいません。書きかけで送信してしまいました。
アリセプト10mg+メマリー20mgの組み合わせが、一番副作用が出やすいですね。
メマリーは、寝てしまう事が多いですが、激しく興奮するケースもいます。レビーに使用するなら、5mg以下でしょう。
小関先生
コメントの続きありがとうございます!
身近にこの組み合わせの人がいたような・・・連絡してみないと!