【動画】認知症の薬を手軽に割って量を調整する理由とその方法

薬 錠剤 割る

千葉県千葉市にあります総泉病院・高野喜久雄名誉院長のノウハウ、認知症のお薬を手軽に簡単に割る方法を教えて頂いたので、皆さまにもシェア致します。

なぜ認知症のお薬を自分で割らないといけないのか?

「なぜ認知症のお薬を、わざわざ自分で割る必要があるのか?」

それは、認知症のお薬の副作用を知らずに処方する医師、それを信じるご家族が多いからです。昨年6月1日、厚労省より抗認知症薬の少量処方の容認の通達がありました。そのときの毎日新聞の記事を、再度引用します。

認知症の進行を遅らせる「アリセプト」(一般名ドネペジル)などの抗認知症薬には、少量から始めて有効量まで増量する使用規定がある。規定通りに投与すると、患者によっては興奮や歩行障害、飲み込み障害などの副作用が出て介護が困難になると医師らのグループが指摘していた。
引用元:http://mainichi.jp/articles/20160601/k00/00m/040/153000c

こちらも以前ご紹介しましたが、アリセプトの添付文書です。

アリセプト

ある期間が来たらお薬を増やしていくことを「増量規定」と言いますが、この文書どおりに処方する医師がまだ日本中にいて、それを信じて疑わない認知症当事者、ご家族もいます。副作用の事例が医師や家族から報告されているものの、知らない人の方がまだまだ多いという現実があります。

厚労省の通達は一石を投じるものではあったものの、誰もが知っているレベルには程遠いです。わたしも、そういった事例を聞くたびに、きちんと発信しないといけないと思っています。

もし勉強不足の医師の診断を受けてしまった場合、どうやって認知症の人を守るかというと、家族が理論武装するしかありません。薬を飲んでどんどん症状が悪化していると思ったら、ご自身で判断して薬を減らす必要があります。そのためのノウハウが、今日お伝えすることです。

認知症のお薬は割りにくい!

錠剤に割線(かっせん)という、割れ目が入っているタイプもあるのですが、アリセプト3mg、5mgには入ってません。認知症のお薬は、この割線が入っていないものが多いです。(下の写真はロキソニン、割線が入ってます)

割線

わたしが以前ご紹介した薬を割る方法は、ピルカッターをAmazonで購入するという方法でした。この方法でもいいのですが、理解ある医師ならば量を調整してくれるので、ピルカッターを使わない時期がやってきます。であれば、身近にあるもので薬を割ったほうがいいと。今回のノウハウがそれです。

ピルカッター

割線が入ってないと割りづらいのですが、身近にあるものを使うと割ることができる、それがボールペンやスプーンなんだそうです。スプーンの裏の曲面を利用して、パキッと割ります。ボールペンの柄の曲面を利用して、パキッと割ります。わたしが実験した結果では、いずれも手で割ることができました。

アリセプト3mg、5mg(下の写真)ともに、直径7.1mm。かなり小さいのですが、それでも力を入れると割れます。ただし、最初は少し苦戦するかもしれません、ベストなスプーン・ボールペンの曲面の場所を探すのに少しだけ苦労します。コツをつかめば、割れるようになります。もっといい方法がないか身近なものを探してみたら、意外とこの無印良品で買った定規が有効でした。

アリセプト錠剤

こちらは6秒動画で見てください、パキッと割れます。それぞれ相性があると思うので、ボールペン、スプーンなどご自身でベストなものを見つけてみてください。家族が薬の量を心配する必要のない医師を見つけるのがもちろんベストですが、緊急措置としてはありですね。

高野先生のご著書もご紹介します。

改訂版 認知症 正しい知識と最新治療・効果的なケア

改訂版 認知症 正しい知識と最新治療・効果的なケア

高野 喜久雄, 黒田 真喜
1,100円(03/27 20:29時点)
Amazonの情報を掲載しています

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか