「認知症が治る」新薬の完成の日まで、家族ができることとは?

認知症 新薬 根治

認知症介護者の声としてよくあるのが、「先が見えない、つらい」というものです。いつまで続くか分からないし、症状がどう変化するかもわからないので、そういう気持ちにもなります。

そんなとき、「認知症根治への希望」を、期待し過ぎない程度に情報集めします。「こんな新薬が開発中なんだ、へぇ~」と言うだけですが、何もない未来よりはよっぽどマシです。

認知症が治る新薬の進行状況

自分のブログ、Facebookやツイッターで新薬の話はあまりしてないのですが、「認知症新薬」のニュースは頻繁にアップされています。先月だけでも、これだけの認知症の新薬や研究のニュースがありました。

家族としては、「いつ頃新薬は完成して、実際に服用できるのか?」だけ知りたいのですが、そういうステップまで進んでいません。ただ、何かしら進んでいることは確かで、いずれ認知症が根治するのでは・・・と淡い期待を持っています。

C型肝炎、胃がんのような画期的な変化もある!

C型肝炎は注射薬での治療から、2014年の飲み薬の登場で、8割から9割の治癒率になりました。また、胃がん発症の99%はピロリ菌が原因で、除菌することで胃がんリスクを大幅に減らすことが分かっています。

わたしもこの事実を知ってから、ピロリ菌の検査をして大丈夫でしたし、母も先日の検査のときに受けて大丈夫でした。いつかは分かりませんが、認知症だって何かしらの治療法が確立される可能性はあります。

現実として、このような画期的な変化は起こり得るわけですし、日々進歩していることは間違いありません。

介護家族にできること

わたしは、新薬に対して、過度に期待はしていないけど、C型肝炎や胃がんのような発見があればいいなと思っています。しかし、単なる介護家族なので、何もできません。ただ、情報を集めるだけです。

情報を集めつつできることは、今の母親の状態を、明日も1か月後もキープできていれば、とりあえずそれでいいと思っています。そうやって安定した日々を過ごしていった先で、たまたま認知症新薬が開発されていたら、それはラッキーなことです。

その新薬に出会うためには、1日でも長生きしてもらうしかないかなと思ってます。生きていればこそ、新薬や新しい治療法に出会えるのです。また、接し方を工夫して、少しでも進行を食い止めておくことも可能かなと思います。

もし、薬を飲んで認知症が治ったら、どうします?

そういえばあのとき、ひどいこと言ったでしょ?

認知症って、記憶のすべてを失うわけではないと言いますよね?お薬を飲んで、眠っていた記憶が急によみがえったりして・・・でもって、介護者たちが、逆に責められるというXデーがやってくる・・・(笑)

「忘れているだろう前提」で接してきたのに、急に「分かっている前提」で会話しろと言われても、とまどうだろうな・・・なんて、夢の妄想をしながら、根治にほんの少し期待を寄せております。

生きてさえいれば、新薬に会える可能性はあるのです。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか