胃と大腸の内視鏡検査を受けたときに分かった「記憶を失う恐怖」

昨日はラジオ出演と、地元新聞社2社の取材がありました。前回のラジオ出演よりも、リスナーの皆さまには明るいトーンでお話できたかな?という、あま~い自己評価です。

ラジオを聴いた直後、トークセッションの整理券をさわや書店さんにもらいに来た方がいたそうで、ありがとうございます!7月24日(日)15時から、岩手・盛岡のリリオ2Fで、無料出版記念講演をさせて頂きますので、お時間あるようでしたら来て頂けるとうれしいです!

先日わたしは、胃と大腸の内視鏡検査を同日に受けてきました。

前回、胃の内視鏡検査を受けたときは、自信満々のお医者さまがこう言ってました。

医師
わたしはね、胃の内視鏡をこれまで何千、いや万いったかな?をこなしてきましたから

そっかぁ、それだけ実績があれば大丈夫なんだろうと思いながら、口から内視鏡を入れる検査を受けました。しかし、自信満々の医師と、わたしの体の反応は真逆で「オエーッ」というあの感覚が止まりません。

医師
逆流性食道炎ですね、あとポリープもいくつかあります。1年に1回は検査したほうがいいですね

と言われたのが、2013年の介護離職直前でした。あまりに辛い体験だっだので、今度は鼻から内視鏡を入れる検査に変えようと決め、たまたま2年前に行った大腸の内視鏡検査をする病院が、胃もやっているということでそちらを受診しました。すると、その病院の医師が、

l
胃がんも大切だけど、大腸がんの方増えてますよ~

と。確かに芸能人のがんのニュースは最近多いですし、認知症の母より先にがんと闘うのもまずいので、素直に大腸の内視鏡検査も受けることにしました。

大腸の内視鏡検査のつらいところは、腸をキレイにするための下剤2リットルを飲むことです。朝4時から、下剤と水を交互に飲み、たぷたぷでもう飲めない!というところまで飲みました。

記憶を失くした内視鏡検査

前回、こちらの病院で大腸の内視鏡検査を受けたとき、麻酔を使いました。なんか検査が始まったなぁ・・・あれ、検査終わってるというのが、前回の検査でした。今回は胃と大腸の両方だったので、また麻酔をお願いしました。

朝の9時30分から始まった検査、血液検査をして、お尻に大きな穴の開いたパンツに履き替えました。注射針がきちんと刺せなくて、検査直前に刺しなおしがあって・・・謝られて・・そこからの記憶が、今もうろ覚えなのです。

まず、検査結果。さて・・・なんて言われたのか、全く記憶がありません。検査結果の書いた紙には、異常なしと書いてあるので、たぶん大丈夫なんだろうと。LINEを見ると、奥さまあてに「胃も大腸も問題ないって」という履歴があります。しかし、送った記憶はゼロです。

病院を出て、そば屋に行った記憶はあります。前の日からごはんを制限されていたので、天ぷらそばを食べたような気がします。お金を払ったかどうか、自信がありません。警察で目覚めなかったので、たぶん払ったんでしょう。

その後もメールを何通か出したのですが、送信履歴を見てもなんとなく送ったような気がする程度。まぁ、とにかくいろんなことが分からないし、次々と不安が襲ってきます。

くどひろ
ん?これって認知症の人が、ふだん感じている状態と一緒?

そう思ったわけです。前回、寝すぎると、普通の人も認知症の症状である見当識障害(時間や場所が分からなくなる)の疑似体験ができるという記事を書きました。しかし、今回のケースは、今でも記憶が戻ってません。

あのとき何をして、どうしたのか・・・記憶の一部が欠落する感覚って、こういうことなのか。母はもっとすごい世界で、生きているんだという気持ちに襲われました。寝すぎて、今何時か分からなくなるレベルではなく、未だにあの記憶がない自分が、やっぱり怖いです。認知症ってこういうことなのか・・・介護者として、一歩また成長しました。

なんか海老天が大きかったような気がするのですが、そんな意識もうろうとした中で自転車を漕いだ自分を、あとで責めました。自転車や自動車禁止と書いてあったのですが、前回が割と問題なかったので、完全になめてました。下手したら、事故にあってたかもしれません。生きててよかった~、改めて天ぷらそばを食べに行きます!

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか