「医者は知らない!認知症介護で倒れないための55の心得」著者 vs 編集者対談を読めば、3倍本が面白くなる!

江波戸裕子

いよいよ本日より、新著 「医者は知らない!認知症介護で倒れないための55の心得(廣済堂出版・健康人新書)」 が書店に並びます。首都圏からなので、地域によっては明日以降という書店さんもあります。

今日は、前作に続き本の制作にあたってくださった、廣済堂出版・編集部の江波戸裕子(えばとゆうこ・上写真)さんとの対談です!

わたしの持論ですが、本の出来は著者も大切ですが、編集者の存在もかなり大切だと思います。どんなにステキな歌詞やメロディでも、編曲ひとつで全く違う曲になってしまいます。本の編集も似ていて、心得の順番やコトバの使い方ひとつで、全く違うものになります。本を制作する上で、どの会社から出版するかは大切ですが、それ以上にどの編集者と仕事をするかで、作品が大きく変わるという人もいます。

わたしが最初に書いた原案は、100m走みたいな内容でした。それを江波戸さんに編集して頂いて、マラソンのような息の長い本に仕上がりました。文章はわたしが書いたものが残ってますが、心得の順番は激しく変わりました。

著者の次、いや、下手すると著者以上にこの本のことを熟知していて、現時点で日本一の読者でもある江波戸さんに、新刊についていくつか質問していきます。

―― くどひろ:江波戸さん、2作続けてありがとうございました!編集の目から見て、前作と今作はどう違いますか?

江波戸裕子さん(以下、敬称略江波戸):前作は、認知症介護の実践的な内容が多かったです。2作目はもうすこし先へ進み、介護者にとっての人生哲学のようなものが書かれていますね。

―― くどひろ:確かに介護する側の考え方の話が多いので、人生哲学のようにも見えるかもしれませんね。今回、編集をしていて、特に苦労された点はありましたか?

江波戸:最初、少し高尚な内容の原稿だったので、読者さんにいかに身近に感じていただけるかで、編集に苦労しました。

くどひろ:そっかぁ、高尚な感じがあったんですね。介護する側の内面を追求していて、それが認知症の方にもプラスになるようにと思って書いたことが、高尚な感じに映ったんですね。でも、最終的には読みやすくなってますよね、難しいコトバは使ってませんし。しかし、今作は途中で順番が激しく変わったので、つなぎの文章を変更したり、戸惑いました。今でもよく分かってないのですが、何度も読んでいるうちに、あ!これが正解なんだって思いました。逆に、わたしに質問ありますか?

―― 江波戸:執筆されていて、なかなか書けないときは、どのようにモチベーションを上げましたか?

くどひろ:モチベーションは、昨年末からの7か月間、ずっと保てていたと思います。だから、校了後の燃え尽きっぷりが、大変でした。ブログが書けなくなってしまって・・・。家の誘惑(テレビ、お菓子、ネット、たまに母)で書けなくなったときは、喫茶店通いしました。最長で8時間、ずーっと喫茶店でPCをカチャカチャやってました。東北新幹線でキーの音を鳴らさないように、執筆したこともありました。

―― 江波戸:くどひろさんは、編集者にどのように言ってもらったり、メールしてもらうと、筆が進みますか?

くどひろ:この前、ライフハッカーの有名書評家である印南敦史さんとお話しました。「良い編集者・悪い編集者」について質問したら、悪い編集者とは「放置する人」と言ってました(笑)わたしも同感です。進捗を適度に確認してくれたり、何よりいい悪いを率直に言ってくれると、筆が進みます。全読者の中で、最も愛のある毒を吐いてくれるのが編集者で、わたしはそれを心地よく感じますよ。

―― くどひろ:読者の方に、これはぜひ読んで欲しいという心得はありましたか?

江波戸:全部読んでいただきたいですが、「自分だけで抱え込まなくてよい」というところですね。

―― くどひろ:あれ?そんな心得、ありましたっけ(笑)わたしがブログを書いている、本当の理由のところかな・・・今作は、どういった方に読んで頂きたい本だと思いますか?

江波戸:認知症の介護だけでなく、他の介護にかかわる方皆さんにも読んで頂きたい内容ですね。

くどひろ:確かに認知症だけでなく、介護している方全般に通ずる内容でもありますよね。

―― 江波戸:ご自身でも、ご自分の本をかなり販促されていますが、そのモチベーションはどこから来ますか?

くどひろ:3つあります。ひとつは、次も出版できると思ってないというのがありますね。きっと今回が最後の出版で、あれだけ時間をかけて書いたのだから、後悔しないように販促しようと。2つ目は師匠である「ブログ飯」の著者、染谷昌利さんの教えです。本の販促を、いろいろコンサルして頂きました。黙っていて売れるほど、甘くないですよね。3つ目は、有名作家の努力を見たからです。どの書店に行っても、百田尚樹先生の手書きPOPがあるんですよ・・あれはビックリでした。

百田さんは書店を見つけたら、立ち寄るそうです。作家とは、そういうものなんだと。あれだけ有名な方が書店を回っているのに、わたしのような作家は、動いて当たり前だろうと思ってます。作家、出版社、取次、書店、いろんな人が関わって作品ができ、販売されるわけですから、著者が頑張らないとダメです!

―― くどひろ:最後に、これから本を購入される方へ、メッセージをお願いします。

江波戸:介護されていると、色々とご自身の気持ちが変化していくと思います。ですので、手元において、そのときどきで読み返されるとよい本かと思っています。まずはお手にとってみてください。

くどひろ:わたしからも、これから購入される皆さまにメッセージを!本の中にあるイラストや写真の箇所は、本のちょっとした山場になっていると思います。全国版の帯のイラストは、この介護生活の中で「本当に」驚いたことを表現していますので、そういうつもりで読み進めて頂ければと思います。

皆さま、愛のある感想(毒入りも可です)、お待ちしております!ページ数は増えましたが、サラッと読めると思います。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

第二弾おめでとうございます!!
明日TSUTAYAにいってみます!!!

家族介護されてる方、本当に尊敬します。
介護職の私は、そんな方々から学ぶ事は、本当にたくさんあると思っています。
医療介護が連携するは当然で、そこにプラスで家族様の見解も本当に大事な要素です。
人の幸せはそれぞれだけど、くどひろさんご家族は、私からみて、いいなーと思うようなご家族様です。
くどひろさんを育てられた、お母様がよかったんですよね!
どうかいつまでも大切になさったくださいね。

hitominさま

ありがとうございます!

家族からみると、逆に介護職の方から「きっかけ」をもらうことがあります。そんなことがちょうど本に書いてあります。

褒めて頂いてありがとうございます、振り返ってみてもいい母です。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか