認知症の母の異食が始まったと思って対策し失敗した話

これ、食べれるんだっけ?

認知症の症状のひとつに、異食があります。食べてはいけないものを食べてしまうことですが、わが家では1年半前に食器用洗剤を誤って飲んでしまった事件がありました。

母は石鹸という単語も出てこないし、石鹸を食べると言われると、あの洗剤事件が頭をよぎります。早く対策せねば!

台所にある石鹸、食べてはいけません!

石鹸を片づけてしまう母

元々、台所の石鹸は対策しようと思っていました。

というのも、母はこの石鹸を片づけてしまうからです。遠距離介護で帰省すると、よく石鹸がなくなります。石鹸を乗せる皿と一緒に食器棚の中にあったり、冷蔵庫の中で冷やしてあったり、お風呂場にあったり、定位置が理解できていないようです。

異食の可能性もあるし、石鹸を移動しない方法はないだろうか? ふと思いついたのが、小学校の水飲み場でした。わたしが小学生の頃は、みかんネットにレモン石鹸が入っていて、それを使っていたなと。

母の小さい頃は分からないけど、直近のことより昔のことを覚えている母なら、むしろこっちのほうがいいかも。そう思って、あの懐かしい水飲み場を再現することにしたのです。

みかんネットはどこにある?

そもそも、あのみかんネットはどこにあるのか? はっさくを買えば、みかんネットが手に入れられるかもしれません。でも母にはっさくを食べてもらうには、わたしが皮をむかなければなりません。

他にいい方法がないか探していたところ、ヨドバシカメラの通販でトラスコ中山の『みかんネット』を見つけました。税込146円だったので、早速購入しました。

みかんネットとダイソーのフック

みかんネットに石鹸を入れて、100均で買ったフックを台所に取り付けて、しれっと様子を見ることにしたのです。

小学校の水飲み場を再現してみました

みかんネットに入った石鹸を見た母の反応

これで手を洗うの?

母は石鹸を認識できているようです、よしっ!こちらの想定どおりうまくいった!ブログのネタにもなるぞ!そんな思いで、数日様子を見ました。

しばらくすると、また台所から石鹸が消えていました。母には邪魔なものに見えたようです。とにかく台所をキレイにしておきたい母にとって、みかんネットに入った石鹸は汚いものだったのかもしれません。

元の場所に戻してみたのですが、毎日片づけられるようになり断念。フックもネットも外して、元に戻しました。200円ちょっとの投資なのでダメージはありませんし、今のところ石鹸の異食もないのでいいのですが、異食があったら石鹸も隠さないといけません。

ちなみにハンドソープは、食器用洗剤と区別がつかないので、あえて固形の石鹸を使っています。

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今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

うちはまだ異食の形跡はありませんが、味覚はズレてますよね。ハンドソープですが、使っているのかどうか…?

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか