”罵倒する” 認知症ケアのはなしを聞いてきた

ちょっと変わったデイサービスを今お世話になっている認知症の先生から教えてもらって、早速行ってみました。

さらっと1行書きましたが、認知症の医師がデイサービス情報を教えてくれるって、普通のことではないと思うんです。

みなさんが受診されている認知症の先生はどうですか?症状やお薬の話はしても、総合的なアドバイスってあまりないのではないでしょうか?(うちは恵まれてます、ホント)

デイサービス代表との会話

代表:「面白い施設がありましてね、徹底して認知症だってことをその人に叩き込むんですよ

わたし:「え゛ーーー、そんな事していいんですか?」

代表:「職員と利用者さんは怒鳴りあいのけんかですよ、それでも認知症だという事を理解させるんです」

わたし:「一般的には知らせる必要はないとか、傷つけないようにとか言いますけど」

代表:「それでもあきらめずに時間をかけて、認知症だと分からせるんです」

代表:「職員さんの想いがとにかくがすごいんです、そこは!」

わたし:「それで結局、利用者はどうなるんですか?」

代表:「それがですね、認知症の症状が改善されるんですよ。先生(わたしが通っている病院の先生)もこの例を知って、認知症ケアに答えはないし、これも正解のひとつとおっしゃってました」

わたし:「いや、聞いたことないですよ~、そんな方法もあるんですね!」

わたしは約2年間、母に対して否定しないで同意する ってのをずっとやってきたので、真逆のやり方で認知症の症状が改善されるケースを聞いてホントびっくりしました。今度この施設にも足を運んで、どんな事をしているか聞きに行ってみようと思ってます。

ゆるゆるなデイサービス

そんな代表が運営しているデイサービスも、実は普通じゃないんです。ものすごく簡単に言うと ”ゆるいデイサービス”? なんです。

日付を確認して、みんなで童謡を歌って、体操をする的なルーティーンが一切ありません。おじいさんは世代の違う人と談笑しているし、おばあさんは新聞読んでて、その隣のおばあさんはゲームしてて・・・これにご近所の子どもがきたり、OLさんがご飯食べにきたり・・・

このデイサービス感ゼロの施設に、次回はお試しで母を連れて行きます。ご近所のサークルを探したり、生け花に連れて行ったり・・当初はいろいろ試したんですが、人見知りな母は言い訳を重ねては行かないんですよね。花が高い!とか、買い物行けばサークルと同じとかとか。

ここは自由なデイサービスなので、理想は一緒の空間にいるみなさんに得意の料理をお手伝いして、社会的役割を果たしている!という達成感を持ってもらいたいんですよね。そしたら妙な被害妄想や、同じことを何回も言うのが減るんじゃないかな・・って思っているんですよ。

デイサービスの見学は2件目ですが、実際見ないと本当に分からないですね。前回ケアマネさんの紹介で行ったデイサービスは、今の母とレベルが違い過ぎて絶対に合わないな!とすぐ分かったほどです。どうなるかな~


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか