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認知症介護で「美意識」が最期の砦になりつつある

このブログを12年以上続けてきた中で、認知症の母の最期の砦は「料理」と何度も書いてきました。

料理が好きで料理を仕事にしてきた母に、何とかして台所に立ってもらいたい。そう思ってラーメンを作ってもらったり、リンゴの皮をむいてもらったりする機会を意識的に作ってきました。

現在は訪問リハビリで母に台所に立ってもらっていますが、料理する機会はそれのみです。あとは食器を1つか2つ洗ってもらうくらいで、他はお願いしていません。ただ頭の中では母親だし、料理もできると思っている母は、下の写真のように食器を並べます。

とにかく食器をたくさん並べます

最期の砦である「料理」ができなくなってしまったのですが、最近になって新しい砦を見つけました。それが「美意識」です。

鏡で自分の顔を見て髪を整えたり、肌を触ったりする姿を見ていると、まだまだ美意識は衰えてないなと思っています。何度も繰り返すあたりは認知症だからなのですが、足が不自由でまっすぐ立っていられず、壁に手をついて鏡を見るのも筋力アップになるので、黙って見ています。

おそらく「白髪」という言葉自体忘れてしまったので、昔ほどわたしへの訴えはなくなってきているのですが、鏡を見る回数から考えるとやはり、白髪は気にしているようです。

2025年1月に訪問美容を自宅に呼んで、認知症の母が喜んだブログ記事を書きました。

訪問美容 認知症
あれから3か月ほど経って、また訪問美容をお願いすることにしました。

この前グループホームに見学に行ったときに「髪の毛はどうするのか」と質問したところ、提携している訪問美容でカットのみはできるという話でした。

確かにカット、シャンプー、カラーで2時間コースですし、カラー液のニオイがしっかりするので、施設によって方針は様々だと思いますが、他の利用者さんのことを考えて厳しいのでしょうね。

もうちょっとしたら美容師さんにお会いするので、カラーまでやっている施設はあるか聞いてみるつもりです。美意識を最期の砦に設定するとしたら、今後は訪問美容はかなり重要になりますね。

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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