4月に仕事を頑張ってはいけない3つの理由

東京マラソン

4月の金曜日と言えば、歓迎会。

介護が始まったことがきっかけで、あるいは介護とは関係なく、新しい会社に転職したり、部署異動したり(させられたり)、新しいポジション、新しい役割を担ったりして、気合いが入ってる方も多いと思います。

転職してきた新人さんに必ず聞いていたこと

会社勤めをしていた頃は、4月に新人さんを迎え入れるのが大好きでした。なぜなら、その会社や職場、部署にはない、斬新な考えを持っていることが多かったからです。

できるだけ早いタイミングで「うちの会社って、どこが変?」と、新人さんからヒアリングしていました。時間が経ってしまうと、会社の色、部署の色に染まってしまい、せっかくの個性が消えてしまうからです。

自分では当たり前と思っている仕事の進め方も、実はその会社独自のルールで成り立っていることが多く、長く会社に在籍している人ほど、そのことに気づいていません。外から来た人はその違和感に気づきやすいので、いつも質問していました。

わたしは5つの会社で働きましたが、転職直後に感じた違和感はリストアップして、1年後くらいに自分で見直すようにしていました。

4月に仕事を頑張ってはいけない3つの理由

特に4月は仕事を頑張ってはいけないというのが、わたしの持論です。理由は下記の3つです。

5月病になるのを防ぐため

転職したばかりの新人さんは、「仕事頑張りたい病」に陥る方が多いです。今年は特にゴールデンウィークの期間が長いので、この4月に完全燃焼したあと、長いGWに突入し、休み明けに出社拒否となってしまう可能性があります。

GW明けに転職活動すると、ポストが急に空いていることがあるのですが、おそらく5月病で出社できなくなった人の代わりを探しているからだと思います。

5月病にならないためにも、4月は仕事を頑張りすぎてはいけません。介護を頑張り過ぎてはいけないのと、全く同じ考えです。燃え尽きます。

頑張っても会社への貢献度は低いため

4月は前任者からの引継ぎや、その会社のやり方を学ぶ時期です。

いくら「頑張る! 」と気合いが入っていても、会社への貢献度はそんなに高くありません。4月はとにかくインプットが大切で、早く戦力になることが目標です。

早く1人前になりたいからと頑張る気持ちは分かるのですが、その仕事は1か月で終わるものではありません。その職場で1年、いや10年頑張りたいと思って、転職したはずです。

わたしも転職初心者の頃は、入った最初の月に意味なく頑張っていました。ところが何度も転職するうちに、1か月目はむしろ頑張らないくらいがちょうどいいと思うようになりました。

残業はかえって迷惑になることもあるため

4月は早く新しい仕事を覚えよう、認めてもらおうというアピールのために、意味なく遅くまで残り、上司や同僚にやる気を見せる人もいます。

しかし、上司や教育係の人も内心は「早く帰ってくれ」と思っていることがあります。新人指導している時間は、自分の仕事ができません。新人に帰宅してもらったあとで初めて、自分の仕事に取り掛かるという人もいるくらいです。

それに残っていても「残業してまでやるような仕事の分担はまだしてない」と考えています。

わたしはそういう気持ちを見透かして、定時に帰っていた経験もあります。退社後は職場近くのラーメン屋巡りをしていたのですが、ラーメン屋巡りができたのは入社してすぐだけ。その後は退職するまでずっと残業続きだったので、さっさと帰ってよかったなと今でも思います。

気の利く上司であれば「今日はもう帰っていいよ」という人もいます。

TBSオールスター感謝祭に重ねる

新しい仕事を頑張っている人を見ると、TBSのオールスター感謝祭のマラソンで、スタートダッシュしている芸人さんを思い浮かべます。

そのペースで走ったら、明らかにゴールできない。だけどテレビに映りたいからと、スタートダッシュをして、散々な結果に終わってしまうあの姿とリンクします。

芸人さんはそれでもいいと思ってスタートダッシュをしていますが、転職組はそんな気持ちではなく、その会社で長く働きたいと思っているはずです。

先はまだまだ長いので、マラソンランナーのようにゆっくりとしたスタートを切るのが一番だと思います。もし介護と仕事の両立をしているようなら、なおさら頑張らないでください。

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか