10分で聴ける介護ラジオ放送中!

6年通うデイサービスで母が初入浴!素直に喜べなかった理由とは?

認知症の母は2015年からデイサービスに通い始め、今年で6年半になります。最初はデイサービスに通ってもらえず、2年かかって母をデイ見学へ連れ出しました。他の利用者さんやデイ自体の相性がよく、おかげさまで今も続いています。

入ってすぐ仮病を使って1か月休んだ時期もありましたし、未だにデイ前日夜に「明日は行かない!休む!」という日もありますが、それでもほぼ皆勤賞のペースで通っています。

デイを利用する当初の目的の中に、実はお風呂もありました。母は手足が不自由なので、お風呂は転倒のリスクがあります。ひとり暮らしということもあり、実家で何年も湯船につかることはありませんでした。

デイサービスのお風呂に文句を言う母

デイサービスのお風呂なら浴槽も深くないし、デイスタッフのサポートもあるので安心して入浴できると思っていたのですが、母は

「わたしは日中にお風呂に入らない人だから、家で夜に入る」
「あそこのお風呂はうちよりも狭いし、深くて危ない」

いろいろな理由をつけて、デイのお風呂に入る気配がありません。日中お風呂に入らないのは納得してましたが、お風呂自体はデイのほうが断然安全です。

わたしはデイに行き、お風呂の写真を撮って、母にデイのお風呂の良さを説明したこともあったのですが、残念ながら正論は通じなかったので、お風呂自体を諦めていました。

つい先日、デイサービスで母の現状と今後について話し合いがあったのですが、その時に入浴の話が久しぶりに出ました。自宅では妹がお風呂に誘い、8年ぶりの入浴に成功していた話をしました。

デイのお風呂に文句を言っていたことを伝えつつ、最近は入浴に成功したり、ヘルパーさんのシャワーの誘いにも応じるようになったりしたことも伝えました。

それでも、何年にも渡ってデイのお風呂に文句を言っていた母ですし、わたしも何度も何度も挑戦して失敗したので、デイのお風呂には入らないだろうと思っていたところに、デイから「お風呂入りました!」の連絡があったのです。足浴から流れでそのまま入浴に成功、本当にすごいことです!

認知症の症状やこだわりはいつか終わる

あれだけ嫌がっていた母が、急にデイサービスのお風呂を利用したことに、わたしは母の認知症の進行を感じ取りました。

介護者の皆さんなら、認知症の人のプライドに悩まされた経験は1度や2度ではないと思います。どんなにあさっての方向なプライドであっても、そこには威勢のよさや元気を感じます。

母が頑なにデイのお風呂を嫌がり、それでデイのスタッフの皆さんも困ったと思うのですが、そのプライドが剥がれ落ちた気がしたのです。

例えば、みたらし団子とごま団子があったとして、母にどっちがいいと聞くとほぼ100%、あんたが選びなさいと言います。自分の意思や矜持というか、最近はそういったものが母から少しずつ失われていっている感じがするのです。

母はいろいろなことが、どうでもよくなっています。変なこだわりで困っていた時期もありましたが、それも消えつつある。一方で別の不思議なこだわりが増え困っていますが、今回は朗報の喜びより、寂しさが支配してしまいました。

ひょっとすると認知症介護的には、いよいよラクになるフェーズに突入するのかもと思いつつ、最近は新たな課題が毎日増えているので、おかげでブログネタには困りません。東京と岩手、離れている今は、常に頭の中で介護をしています。

音声配信voicyの最新回は、2035年の介護のミライのお話です↓

今日もしれっと、しれっと。


【10分で聴ける音声配信】 → 『ちょっと気になる?介護のラジオ』

 


【わたしが書いた最新刊】
近距離、遠距離に関わらず、認知症の親と離れて介護している方や介護が始まるかもしれない方に向けた新ジャンルの介護本です。図表とカラーで分かりやすく仕上げ、本の内容はNHKあさイチなど多くのメディアに取り上げられました。

2件のコメント

母の介護が始まってからずっとクドヒロさんのブログや本を読ませて頂いて、折々に助けて頂いています。今回はコメントせずにいられないほど納得しました。確かに一番辛かったのは、認知症か否か、なんとか介護認定までこぎつけるまで、の過程だったように思います。母も難病を患っており、クドヒロさんのお母様と同じ認定は2。結局私は仕事も辞め、在宅で介護看病をするようになりました。介護あるあるなのでしょうが、人前では嘘八百で良い娘を演じるたった一人の妹にも精神的に苦しめられており、すべて投げ出して死んでしまいたいと衝動的になったことも何度かあります。そんな人間だったのかと思うほどの母の反抗や抵抗は、大変なストレスでした。それでもここ最近は、以前ほどの辛さは若干軽減したように感じます。判断力の低下が著しい母なのですが、それとは違う流されやすさが出てきたように感じます。楽になるフェーズ、それは違う局面の提示かもしれませんね。じっくり考えてみたいと思います。今の私にぴったりの内容でした。ありがとうございました。

みもっちさま

ブログ読んで頂き、ありがとうございます!

コメントせずにいられないほど、うれしいです。きっとわたしと同じような感情の方多いだろうなと思って発信しても、全く違っていることもあるのでピッタリでよかったです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US

工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(78歳・要介護2)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて10年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか