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「親の在宅介護が始まる平均年齢は50.9歳」という大王製紙の調査結果を読み込む

以前はいろいろ騒動もあった大王製紙の「『介護と年齢』に関する意識・実態調査」が、興味深かったので取り上げます。2017年5月に、インターネットで在宅介護者300人に対して調査を行った結果です。

まずは、在宅介護を始めた年齢からですが、

「在宅介護」を始めた年齢を聞くと平均は「50.9歳」、合わせて将来「在宅介護」をするかもしれないと意識し始めた年齢を聞くと平均「48.2歳」となりました。
引用元:http://www.elleair.jp/news/pdf/n290529.pdf

調査結果には具体的なことは書いてないのですが、例えば認知症であれば「あれ、同じこと何回も言うようになったなぁ・・」と思いながら過ごしていたら、3年後に介護が始まった人が多いということになります。

この結果を見て、もし3年も猶予があったなら、いろんな準備ができたよなぁ・・・と思ったのはわたしだけでしょうか?うちの場合は、在宅介護するかもしれないなぁと思ってから、1年経って介護が始まりました。でもその1年間も、「認知症?いや年相応のもの忘れ?」と揺れ動いていたところに、祖母の余命半年爆弾が投下されました。

だから「猶予なんてなくて、突然介護がやってきた!でも、なんとなくは準備はしてたけどね」という表現が一番しっくりきます。

思ったより自分が若い年齢で介護が始まったかという問いに関しては、61%の人が「はい」と答えています。わたしは40歳スタートなので、平均年齢より10年も前倒しです。この問いに関しては、わたしも「はい」と答えます。

20歳、30歳の時に、将来在宅介護を行うと思っていたかという問いに関しては、それぞれ79%、76%が「思っていなかった」と回答しています。介護職以外で、この年齢で介護を想定している人、たまに認知症カフェでいらっしゃいますね。

次に、在宅介護で諦めなければならないことについての問いです。

具体的に何を諦めたのか聞くと、1位は「自由な時間を持つこと」(79%)。続いて2位に「旅行すること」(70%)、3位に「趣味を続けること」(48%)となりました。
引用元:http://www.elleair.jp/news/pdf/n290529.pdf

わたしはこれらすべてを諦めてなくて、自分の工夫次第で実現できると思っています。自分の人生、そう簡単にあきらめてたまるか!って思っているので、あっさり人の手を借りると思います。

わたしが諦めたものは、一般的な会社員生活と安定した月収、昇進(これは元々興味ない)です。その代わり、介護者の誰もが欲しがる「自由な時間」を持っていて、スケジュールはなんとでもなります。

昔は同じランドセルを背負って、就活のときはリクルートスーツを着ることで安心していました。今は、とにかくみんなと違うことをするのが大切だと思っています。だから、人より早く介護が始まっていることも差別化になりますし、介護離職をしたことも、遠距離介護をしていることも、すべてが差別化です。禍を転じて福と為すです、ハイ!

在宅介護で大変なこと

調査での上位4つは、排泄介助、移動介助、食事介助、入浴介助でした。

大王製紙の調査結果なので、「アテント」購入への前フリなのかなとちょっと思ったのですが、他の調査結果と比較してもやはり排泄介助が一番大変という結果になっています。だいたい調査結果を網羅しましたが、原本のリンクを貼りましたので、読んでみてください。

「『介護と年齢』に関する意識・実態調査」

今日もしれっと、しれっと。


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2件のコメント

くどひろさん
お久しぶりです。あれから、いろいろありまして・・(+_+)
介護同居していた実家の父が2か月の入院を経て5月下旬に他界しました。
自宅の夫の両親は義父が2年前よりアルツハイマー型を発病し、最近その介護疲れのせいかはたまた発病?したのか義母の様子が芳しくありません。
70歳で他界した実母と違い、皆80代です。
80代で認知症・・・自然の摂理と受け入れていくしかないですね。
義理の両親の対応も亡くなった父が身をもって体験させてくれたと思い、慌てずしかし確実に介護計画を立てていこうと思います。
これからのブログも良い指針として読ませて頂きます。
肩に力を入れず、しれっとですね(^^)/

いっこさま

お久しぶりです!

おっしゃるとおり80代になると認知症の有病率がグッと上がるので、自然の摂理というところもありますね。

わたしも亡くなった祖母の介護経験を母に生かしていますので、今までの経験は必ず糧となりますよ。気軽にブログにお立ち寄りくださいませ。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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