家族と医者・ケアマネの意外なコミュニケーション方法とは?

コミニケーション

病院、介護施設、ケアマネ、デイサービス、サ責、ヘルパー、訪問リハビリ、薬局、いろんな医療・介護従事者と家族の間で、コミュニケーションを取る機会があります。

くどひろ
みなさんは、どのようなコミュニケーションの取り方をしていますか?

文書で伝える

わたしは手間でも 「文書で伝える」 ことが多いです、これには理由が2つあります。1つは電話や口頭で、医療・介護従事者にきちんと伝わらないと根底で思っているからです。(不信感ではないですよ)

家族から見ると、医療・介護従事者の方々は1人なんですけど、逆の立場でみれば大勢の中のひとり、いわゆるone of themです。 すべて分かってもらっている感覚になりがちですが、たくさんの患者・利用者がいるわけで、自分だけが特別だと思わないことです。

きちんと伝わらない = 忘れちゃう事もあるよね そう考えているので、履歴を残すという意味で文書を使っています。

身体や命に関わることなので、医療・介護職の方は真剣に聞いてくださるのですが、とにかく多忙です。そんな時、サラリーマンならどうするかというと、メールを使います。忙しい人にはメールが基本です。しかし、メールは使えないことが医療・介護業界は多い・・・これが2つ目の理由です。

医療・介護従事者とのコミニケーションの中で、サラリーマン社会と最も大きな差はメールです。パソコンの前に座って仕事している職種ではないので、マメにメールチェックできる環境にはありません。また、インフラとしてメール環境がなく(あっても使ってない)、FAXでと言われることもあります。

なので文書で伝えることで、時間がある時に読んでねという意味もあります。メールが文書になっただけです、ネット上で送信するか紙で印刷して渡すかの違いです。

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何を文書に書いているか?

文書には、このようなことを書いています。

・自宅での出来事や様子
・認知症の症状の変化
・新しく訪問介護してもらう時は、お願いしたいことをまとめる

A4で1枚が基本で、WORDで作成してプリントアウトします。口頭でも説明して、詳しくはこれ読んでくださいと言って渡してます。

先日デイサービスの送り出しが始まったんですが、その時もこんな文書を作ってサ責とヘルパーさんに渡しました。

<デイ送り出しの目的>
家族以外だとシャンとして言う事を聞くので、そこが狙いです。今まで通りゴミ捨てに来たという感じがいいかもしれません。いきなりデイの準備をしてください!というと拒否するかも・・・

<ゴネた時の殺し文句:上から順番に効果があります>
以前作ったラタトゥイユが好評で、また食べたいとみんなが言っているよ!
利用者のおじいさんが、最近こない、お話したいと待ってるらしいよ!

たぶんヘルパーさんも、デイに行きたくないとゴネる母に苦労すると予想し、自分がやってきた説得術を文書にして渡しました。買い物の我が家のポイント、認知症の家での症状など、こういった文書は2年で、20通近くになってました。

面倒なやつだな~って思われているかもしれませんが、何度もやりとりするよりかは効率がいいはずだし、人間忘れてしまう生き物なので、忘れた時はそれ見てねという意味でかれこれ2年間やり続けてます。

ちなみにこのように絶対やってね!というモンスター家族ではないです、あくまで目安にしてねといいます。社交辞令か本当かは分かりませんが、助かります~と言われたこともあります。

人は意外と他人の話を聞いてないものですよ

医療・介護従事者の “傾聴” 姿勢は、サラリーマン社会の10倍すごいと思ってます。

それに甘えてしまう介護者は多いし、こういった職種の方は聞くのが仕事、忘れないはずと勝手に思いがちです。それでも人間だから忘れる事もある!とわたしは考えています。お医者さんは、特に忘れると思ってます。

文書を始めた別の理由としては、遠距離介護だからというのもあります。実家に行けない、メールも使えないので手紙ばかり書いてました。滞在時間が短い、その短時間ですべてを漏らさず伝えたい!という思いからそうしてました。

この漏らさずというのもポイントで、文書でまとめておくと忘れることなく伝えられます、特に認知症の症状とか。

これがわたしのコミニケーション術です。実際のところ助かっているのか、単にうぜぇ奴なのか・・・本当のところは分かりませんけど(笑)感謝の気持ちも伝えたいんですけどね・・・、恥ずかしくてできません(汗)

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか