男性介護者をケアメンと呼び、介護者をケアラーと呼びます

男性介護と女性介護の違いってなに? という記事を書いた時に、初めて ”男性介護” という言葉に触れて、あえて”男性”という言葉をつけるあたり、介護の世界では、男性はマイノリティなんだなぁ~って事を知りました。で、つい先日、EテレのハートネットTVで 『男性介護を考える』 という特集がありました。

男性介護者を、”ケアメン” って言うんだそうです。イクメンとか、こういうの好きですよね~、狩野英孝のネタに入れてもらえば、もっと普及するかもしれませんよ(笑)ラーメン、つけメン、僕・・・・ でも、ケアメンって呼ばれたくないと思うのは、私だけ?(だいたひかるみたいになってるし・・・)

ちなみにケアメンは全国に120万人もいるそうで、そう考えると全然マイノリティでもなくって・・・・いろいろとネタが古っ!と自分自身に突っ込んでおいて、いよいよ本題です。

主たる介護者の推移

番組内で紹介された国民生活基礎調査によると、”介護をする人” の割合が、1968年当時は 子の配偶者(お嫁さん)が49.8%という恐ろしいデータがありました。男尊女卑の最たるデータがこれだなっ!ひでー話!正直思いました。それが2010年ではお嫁さんは16.6%まで減少、変わって夫や息子がそれぞれ14%まで上昇しているというデータがありました。

『男は外で仕事、女性は家を守る』 そんな時代では、現在はありません。育児だって、家事だって夫婦で分担するのは当たり前ですし、女性は外で仕事をします。この先もっと ”お嫁さん” の割合は減っていき、男性介護者の割合が増えていく事が想定されます。

わたしが思うに、今の男性介護者のメインは団塊世代です。わたしの世代(40代)と違って、男のプライドとか昭和な男!的なものが強い世代です。そういった方々が、介護を始めた時に、『いかに妻任せだったか・・・』 という事を痛感しながら、家事の大切さを身に染みて感じるんです。

あと10年から20年すると、おそらくですが ”男性介護という言葉” 自体も減ってくると私は思います。男女の役割が時代によって、だいぶ変わってきています。”男だから” とか、”女だから” とかそういうのはなくなり、さらに境界線は消えていくはずです。

わたしも男性介護のネットワークに入ろうかなぁ~ と思ったことがありますが、世代がだいぶ違うんですよね・・・ それにわたしには 『男は外で仕事!』 的なところも全くなく、わたしは家事も普通にやりますし、共働きです。昭和生まれですが、昭和な男!的なものは全くありません。男だけど、女の要素いっぱいあるよねって、よく言われます(笑)きっと場で浮いてしまうんだろうなぁ・・・ってことで、今後も参加しないだろうなと。

ただ共感できるのは、介護者同士が情報交換する場というのは、本当に必要だと思います。やっぱりひとりでは情報が足りません。いろんな介護経験で苦労されている事を、他の人に教えたり、共有する事で次の人がラクになる この繰り返しが必要です。情報交換の場はすごく大切なので、こういうネットワークは賛成です!もっとゆる~い、集まる場はないのかなぁ・・・と番組を見ていると?

”ケアラーズカフェ” という素敵な空間

番組でちらっと出てきた、”ケアラーズカフェ” ケアラーは文字通り、介護する人。そのカフェなので、介護する人が集うカフェってことです。番組ではあまり紹介しなかったのですが、調べると東京・阿佐ヶ谷の駅前にあるんですね。

NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジンさんが運営しているので、こういうお店の名前です。アラジンさんのミッションが、

  • 介護する人への直接的なケアやサポートのしくみづくり
  • 孤立しがちな介護者を社会へつなぐしくみづくり

すごくステキな団体ですね、今度足を運んでみようかな~

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか