認知症の母と4つの病院を5日でハシゴして疲れた意外な理由

認知症 病院 ハシゴ

2か月前にものわすれ外来を予約、そこだけ連れて行けば良かったはずでした。

急に母の歯の調子が悪くなり、抜歯。抜歯が終わったら、いつかのタイミングでやろうとしていた歯も治療が始まることになりました。さらに、緑内障の疑いが発覚、予約しようとするも11月のわたしの予定がパンパン。やむを得ず10月に眼科予約をし、さらに大腸内視鏡の検査をどこかでやろうとしたら・・・これも10月に。

結局、月曜から金曜日まで毎日、母を病院に連れて行くことになりました。その模様をつらつらと・・・

5日間の病院履歴

【1日目】
東北新幹線で盛岡駅に14時に到着。16時の歯医者の予約のため、急いで帰宅。歯医者で遅くなり、母が夕食の準備をできないと考え、盛岡駅で自然派のお惣菜を買う。母はなぜかコンビニ飯を食べると、かなりの確率で下痢をしてしまうので、自然派に。自宅に到着し、母に歯医者があることを告げ、歯を磨いてもらう。

わたしが歩くと5分で到着する場所に歯科はあるのだが、母は足が不自由なのでタクシーを呼ぶ。ワンメーターで到着、治療は無事終わる。前にお世話になった女性のタクシー運転手さんに、また会う。顔を覚えていた理由は大腸内視鏡の話と、お母さまが認知症だったことが印象深かったから。いつもなら会話で盛り上がるところだけど、車の所要時間2分・・・また今度。

【2日目】
今日はデイサービスの日。だけど、歯の消毒に来て欲しいと言われ、デイサービスが終わった16時に歯医者に向かう。デイから帰ってきて、そのままの恰好でいてもらう。今日はタクシーか自転車を杖代わりにして歩くか母に聞くと、珍しく歩くというので15分くらいかけて歩くことに。リハビリになっていいのだが、こういう時に限って見知らぬ人、親族と次々と声をかけられる。

「息子さん、えらいわね~」「関心だこと~」と褒められるのだけど、わたしはこういうのが最も苦手。親孝行として病院に連れて行くわけではないので。外は寒いしこの場を去りたいのだけど、母がその空気を読まずに話を続ける。エンドレスモードになる前に、話を切り上げてもらう。本当はいろんな人と話すのはいいのだけど、寒さで風邪をひかれると困るので。

【3日目】
前回の眼科検診で、緑内障の恐れがあるということで、タクシーで病院へ。ちょうど白内障の目薬もなくなっていたので、そのお薬ももらいにいく。いろんな検査をした結果、緑内障が確定・・・これについては、いずれ別記事で。歳をとると、こうやって病気は増えていくからしょうがない。

近所の蕎麦屋で母は牡蠣そば、わたしはざるそば大盛を食べる。明日からの通院が、実は山場。

【4日目】
今日はものわすれ外来の日。格安レンタカーを予約していたので、自転車でレンタカー屋へ。翌日の大腸内視鏡検査のため、大幅な食事制限を開始する。どんなに注意書きを書いて貼っても、母は突破することが分かっているので、冷蔵庫を開けないようにクローズする。

朝は食パン1枚、昼は赤いきつね(ネギと具材抜き)、メロンパン、プッチンプリン、夜はおかゆ、豆腐、アイス。わたしも母に付き合ったのだが、お腹がすいた~ 夜8時に下剤を飲ませる。

【5日目】
タクシーで消化器内科に移動し、大腸内視鏡の検査を受けてもらう。きっと、下剤2リットルと戦っているはず。

病院のハシゴで疲れた意外な理由

さすがに5日連続の病院通いは、疲れました。母はいい具合に忘れるので、そんな疲れはないみたいです。わたしは病院までの移動手段の確保とか、院内の歩行介助(気を抜くと転倒する)があって、思った以上にグッタリしました。

でも、フリーランスで1週間も滞在できるから5日連続という病院スケジュールも可能なのであって、会社員だったら正直厳しいでしょう。そう考えると、一気に片付けて年末を迎えられるだけハッピーでした。

そんなハッピーな気持ちなのに、なぜかグッタリしている理由が最終日に分かりました。

あれ、何の検査なの?
くどひろ
大腸の内視鏡の検査
どこでやるの?
くどひろ
ABクリニック
いつやるの?
くどひろ
金曜日

部屋中に張り紙をしたのですが、上記のやりとりを5日で100回以上もやったので、それでグッタリしたみたいです。母の認知症の症状の最大の特徴は、とにかく同じ質問を短い時間で何度も何度もすることです。

張り紙がいけなかったのか、またお薬やサプリも止めたのでそれもいけなかったか。病院に毎日行くって母も不安でしょうから、その不安が出ていることは理解していますが、やっぱり速射砲が過去最大だったので、グッタリしました。もちろんキレたりはしませんが、自分のガス抜きのために、母に何度か同じことを言っているという指摘はしました。

このブログがアップされている頃、わたしは母の大腸内視鏡の検査待ち。盛岡の喫茶店で11月10日(土)神奈川区の講演の資料を作っていると思います。

10月31日の横須賀の講演は人が集まったと連絡を頂き、ホッとしております。11月10日の神奈川区は申込不要、しかもテーマの軸が介護と仕事の両立とチャレンジです。皆さま、300人の会場でたとえ30人しか集まらなくても、講演中止にはならないのでご安心ください。9000人が7000人とか、次元が違い過ぎます。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか