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地元の名産は食べる?認知症の母と「まめごろう」のはなし

まめごろう

皆さんは地元の名産、名物、銘菓を、よく食べますか?

わたしの盛岡での生活を例にすると、「わんこそば」は食べません。友人が観光で盛岡に来たときのみ、一緒に参加していた時期もありますが、最近はもりそばをひとり食べながら、みんなが悶絶するのを楽しむドS対応になりました。

「盛岡冷麺」は、何回も食べます。できれば帰省中に1回は食べておきたいと思っていますが、コロナ禍の今は外食に行ってないので、あまり食べていません。「じゃじゃめん」は気軽に食べられますが、自分で加える調味料の味付けが定まらず、それほど食べません。

東京で友人・知人に会う時、かなりの確率で盛岡で買ったお土産を渡すようにしているのですが、今まではかもめの玉子、岩谷堂羊羹ミニ、奥州ポテト、タルトタタン系、岩手なのに青森のラグノオ、宮城の萩の月などを購入したこともあります。

しかし、ある時から一周回って、「南部せんべい」を渡すようになりました。その中で1番人気なのが、ピーナッツの入った甘いおせんべい「まめごろう」です。(記事タイトル下の写真)

実家でまめごろうを食べる

実家近くのスーパーに行ったら、この「まめごろう」(落花生が入った、甘いクッキー生地の南部せんべい)がお菓子コーナーで普通に売ってました。

お土産屋のみの取り扱いだと思っていたので驚いたのですが、試しに買って母のお菓子箱に「まめごろう」を入れておきました。

帰京する前、わたしはお菓子箱をいつもいっぱいにしてから帰ります。万が一、食材が尽きてしまうと、手足が不自由な母は買い物に行けません。そのバックアップとして、お菓子をたくさん用意しておくのです。非常食的な役割を果たしています。

お菓子箱に入れたはずの、1袋4枚入りの「まめごろう」がありません。片づけ癖がひどく、片づけた場所を忘れる母なので、またどこかに片づけたのだろうと探してみたのですが見つけられず、4枚の「まめごろう」は母の胃の中にありました。

母は、「これ、大好き!」「やめられなくなる!」と言い出し、4枚の「まめごろう」を1日で食べきってしまいました。

食べたことを忘れ、また食べるという認知症ならではの行動も含まれていますが、「まめごろう」が好き過ぎて、朝食の食卓に「まめごろう」を並べた日もありました。パン、牛乳、目玉焼き、まめごろう……。今の母には違和感がないようです。

あまりに「まめごろう」を食べるので、わたしが「まめごろう」コントロールを開始しました。お菓子箱には1日2枚までと決め、朝に入れておくのです。そうすると、夕方には2枚ともなくなってます。

子どもの頃、母からは「ピーナッツを食べ過ぎると、鼻血ブーになるよ」と何度も言われたので、今度は母が鼻血ブーになると思い、数量制限をしました。改めてネットで根拠となるデータを探してみたのですが、鼻血ブーの医学的根拠はないようで。

認知症なので、新しいお菓子よりも、地元の慣れ親しんだお菓子を食べてもらうのもいいかなと思うようになり、今では「まめごろう」はうちの定番のお菓子となりました。

今日もしれっと、しれっと。


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2件のコメント

まめごろう美味しいですよね。好きです。
九州のある百貨店の「全国銘品売り場」で出会いました。
大分の「手焼煎餅」も、まめごろうと似てて、美味しいですよ。
時々取り寄せます。うちの母が喜ぶのでつい。
でも食べ過ぎは禁物ですね。たしかに。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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