<最近、新しくブログ読者になられた皆さまへ>
この経過報告の年数は、ものわすれ外来の通い始めをスタートにしています。介護生活はこれに半年(26週)を足すので、4年目に突入しています。え、4年目に入ったの?と自分でも驚くほどです。
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母は新聞を読む習慣が、「一応」 ある。
「一応」 と書いたのは、読んでいるのではなく眺めているだけ。
内容はもちろん忘れる、でもその瞬間では理解していて、新聞のメインの使い方は日付確認だ。
新聞に日付が書いてあるから、ドヤ顔の母。
居間には数日分の新聞があるので、前日の新聞を読んでることも多い。ブログでオススメしてるデジタル電波時計のおかげで、読んでる途中で自分が古い新聞を読んでる事に気づくこともある。
さて、本題へ。
帰省すると、必ず 「1枚のチラシ」 が母のそばに置いてある、それがこちら。
自分が育った街の昭和を振り返った写真集のチラシだ。
しかしわたしはそのチラシを、自分の部屋に持ち帰っては捨てる。
チラシというのはしつこくって、毎週毎週同じチラシが入ってくる。
なので母は何度もチラシを取り置き、息子は帰省の都度捨てる、そんなラリーが1か月以上続いた。
そう思いながらも、チラシを捨て続けるわたし。
なぜ、捨て続けたのか?
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それは、最初にこのチラシを見た時に、すぐ予約したから。限定数が決まってたし。こりゃ絶対欲しいだろうと、すぐにわかった。
母は電話することはできるものの、電話したこと自体は忘れてしまう。下手にチラシがあると、電話して本屋に何度も予約しちゃうから、チラシを捨て続けた。
そして入荷の電話が来たので、本屋さんにとりにいった。その写真集がこちら。
で、でかい・・・鉄アレイ並みに重い。あまりに重いので、母は毎回 「ヨイショ」 という。そういえば昔、大川栄作がタンス担いでたっけ・・・そして、お値段がこちら。
税込、9,990円!
これを母が何冊も予約してしまう地獄絵図を想像してしまったので、ひたすらチラシを捨て続けた。
考えただけでゾッとする、さざんかの宿のCDなら何枚買えるだろう・・・
XMASプレゼントといってもただの袋に入っているだけだし、まだXMASでもないし雰囲気はゼロ。
それでもあれだけチラシを集め続けた母だから、かなりうれしかったらしい。
写真を見ては、昔の事をいつまでも話し続ける母。かなりしつこいと思えるレベルだったけど、これだけ喜んでもらえるなら、プレゼントしたかいがあるというもの。
そりゃ分からんさ・・・、生まれる前だから。もひとつXMASプレゼントにした理由がある。
それは、母が資料館や歴史館に行って、昔の風景映像を見たことだけはよく覚えているから。いろいろ連れ出している割に、9割は覚えてない。認知症だからしょうがない。でも1割は覚えていて、それが昔の写真や映像だ。
認知症のリハビリテーションに 「回想法」ってあるけど、こうやって実践してみるとその効果のすごさがわかる。写真集を見ることが、リハビリになるのだ。
母は写真集で、昭和30年代にタイムトリップしている。昨日や1時間前への小旅行が難しい今、どんどん昔に大旅行してもらって、楽しい気持ちになってもらおう。
写真集が重いから、腕力をつける意味でもリハビリになる、一石二鳥だ。大川栄作とわたしの共通点、それは鼻がでかいこと。学生の頃、黒ぶちの眼鏡をかけると、「おまえ、ひげつけたらパーティーメガネだな!」 ってバカにされたっけ・・・
すぐ上の文章、”共通点” の横に 「、」 を打つと、点が5つになって分かりづらいということも分かった。
今日もしれっと、しれっと。