認知症の経過報告(2年と51週・52週間目)盛岡は都会です!

盛岡

熊本ならびに九州地方のみなさま、余震には十分注意してください。

「認知症の経過報告」シリーズも今回で丸3年となり、次回から4年目に突入します。

ちょっと前にも書きましたが、この3年は病院を初めて受診した日を基準にしており、介護はこの5か月前から始まっています。

今後も継続していきますが、経過報告(●週)というタイトルは止めます。タイトル右上にあるピンの画のカテゴリ名が「認知症の経過報告」になっていたら、いつものシリーズだと思ってください。

さて・・・

認知症になってから、母の性格が変わってしまいました。ショックかといえば、最初こそ驚きますが今は笑ってます。わたしも変化してますしね。

そんなに自信家でなかったのが、何でも自信満々に話すようになりました。その中でも、「盛岡は都会」という自信に満ちております。わたしが25年前に上京したとき、よく言われたことは

くどう、青森出身だったよな?
くどひろ
ちげーよ、い・わ・て だよ
盛岡って、何県?仙台?
くどひろ
仙台は宮城県ね。岩手県の県庁所在地!

このやりとりは、人生で30回以上はあったと思います。そんな体験を多くしているので、盛岡を知らない人も多いだろうと思ってますが、母はこの会話が不満なようです。

全国のお天気がテレビで表示されると思い出したかのように、

なんで間違うの、北海道の次に面積の大きい県でしょー。北海道から順番に見ていったら、誰だって分かるでしょー。
盛岡って言ったら有名でしょ、わんこそばもあるし。なんで間違うの、信じられない!

全国の天気予報で、盛岡がないときも、

なんで盛岡出てないのー

割としつこいので、たまにこう質問してみます。

くどひろ
じゃぁ四国4県はどこか、言ってみー
・・・
くどひろ
自分の生まれ育ったところや住んだところは分かるけど、他は意外と知らないもんだよ
確かにそうよねー

妙に納得するのですが、その後も繰り返されるのはもう日常なので、スルーしたり中国地方全部言ってみーと質問に変えたりしてます。「5きげんテレビ」という夕方にやっている地元番組があるのですが、ほぼ100%毎日質問されることがあります。

このアナウンサー、地方から来たの?
くどひろ
どっちかって言うと、都会から来たんだけどね(笑)

日本の中心は、盛岡!的な発想です。地元の方以外がアナウンサーだと、納得してないというか・・・母の言動に対して、今までの「人生歴」を振り返ると答えが出ることがよくあります。

母はほとんど岩手県から出たことがないから、それを悔やんでいるのかな・・とも思います。もっと外の世界を知りたかった、でも貧しくてできなかったという後悔を、盛岡都会説にすることで自分を納得させているのかなと解釈しています。推測が正しければ、また認知症の奥深さを知ることになるのですが。

まっ、自信があることは悪いことではないのですが、たまにヘルパーさんに対して失礼があったりもします。失礼があること=距離が縮まった とわたしは思っているので、謝りながらもそういう説明をするようにしています。

トップの盛岡駅の現在の画像ですが、「おでんを食べた」という意味ではないです。「ようこそいらっしゃいました、盛岡へ」です。日本語ですが、英訳を見るとよく分かります(笑)

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか