ヤングケアラー若者介護の実態「23歳から14年間介護を続けた体験」を読んでみた!

若者介護

みなさんが23歳の頃、何をしていましたか?

くどひろ
新入社員1年目だったなぁ・・
Aさん
彼氏ができた歳だわ・・・
23歳の武田卓也さん
介護が突然はじまりました

武田さんの14年間の介護

23歳といえば、大学を卒業して社会人1年目という方、甘酸っぱい恋愛をしていた方、中には結婚して子どもができた方もいるでしょう。このような時期に、介護された方を知っていますか?

武田卓也さんは23歳の時に、50歳のお母さまがくも膜下出血で倒れ、突然介護がスタートします。お父さまは高校生の時に亡くなっており、以来14年間お母さまの介護を経験され、看取られました。

23歳からの14年間が人生においてどういう時期かは、ブログ読者のみなさんもお分かりかと思います。その介護経験から、京都の西院に一般社団法人いばしょ」という、若者介護を考える拠点を作られました。

週刊誌AERAにも介護離職を3回もした人として、取り上げられました。その武田さんの本を若者介護.netのメーリングリストで知り、発売前に入手して読みました。

武田さんの言葉

私は皆より少しだけ、早く介護を担わなければならなくなっただけ

”少し” なんてもんじゃないんですけど!23歳なんて早すぎなのに、こんな事言えるなんて・・・現在42歳のわたしですが、周りよりも介護スタート早すぎるわ!って思ってますから。

二十代で介護者になると、医療、福祉、介護の関係者やその他周囲の人たちは若いから介護することが難しいと思ってくれていたように思いましたが、三十代になると社会が私を介護者として十分な力量を備え、介護を担うに足る人物であると承認していると感じました。

二十代で介護者になると、周りはまだ青二才扱いなんですね。見た目に若い =未熟 と判断する人が多いんですね。実際はというと、見た目に若くない人 = 未熟 ってことだらけです(笑)

誰もが最初は介護初心者ですから、年齢に関係なく。三十代にして達観されたのは、二十代相当苦労されたからに他なりません。ヤングケアラーと呼ばれる若い介護者のお話を聞くたびに、

「自分はまだいい方だ」

って思います。周りの友人は介護なんてしてないから話せない、仕事に就けない、恋愛できない、結婚できない・・・たくさんの物を、年輩の介護者よりも犠牲にしないといけないんですよね、若い介護者の皆さんは。

武田さんの14年間の介護体験を読むと、たくさんの犠牲を払いながら前に進んで来た姿が分かります。病院の待合室で1か月間生活されたという、かなりレアな経験談も載ってます。

本を読むことで、介護者の中でも自分がいかに恵まれているか気づかされました。医師や介護職のプロ本ばかり読んでいたので、初の介護者目線の本は新鮮でした。

本の発売

「若年介護~介護を続けながら夢や希望をもって生きるために」は、2015年1月9日(本日発売)です。109ページなので、1時間程度で一気に読めます。

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年輩の介護者ほど、何か気づきが得られるかもしれません。


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6件のコメント

・・・23で介護って。自分でも33?ぐらいだったのに・・・。しかもくも膜下出血ってことは多分要介護3以上な予感しますね。 とてもじゃないが想像を絶しますね。
私も包括なんかに相談するとまだ楽なほうなんだなーって思いますし。これは中々読むのに勇気がいりそうですね・・・。

syumitektさま

わたしも33歳の時に初めて介護を意識しましたが、23歳は早すぎです。

在宅介護ではないんですが、遠距離介護されているので大変なんですよね。しかも介護保険制度が施行される前から始まって、途中で制度が施行
されるような時代に経験されているので、本当に大変だったと思います、武田さん。

母が恩給がでるまで働きたいということで、当時21歳の私が仕事を辞めて、6人家族の主婦のようなことをしつつ、認知症の祖母を1年間介護していました。妹、弟の進路相談も母の代わりに行き、若い先生は、少し慌てておられました。3人の子育てしながら、結婚後42歳から58歳まで隣に住んでいた1級障碍者の義父、介護度5まで進んだ義母の介護をしました。色々なことがあり過ぎて書ききれませんが、生き方について学び、本質を知ることができました。しかし、当時やりたかったことはできませんでしたが、できることをしようと考えを変えました。介護から学ぶこともあります。
現在は92歳の認知症の母を遠距離介護で月末1週間実家に行っています。
弟夫婦が仕事で遠方に行っているため、公的な支援も利用して、近くの親戚の方にも見守っていただきながらですが。
母も47歳で仕事を辞め、認知症の養母の介護をしました。
認知症が世の中の方々にこれほど関心を持っていただけるようになったことは、48年前は想像できなかったことです。

コメントありがとうございます。

おっしゃるとおり認知症ご本人の数も500万人もいて、携わる家族も仮に4人だとしたら2000万人に関わることなので、関心度は相当高いと思います。今後さらに増えていくと思いますが、介護の方法もいい方向へと変化していくと思っています。

私も23歳のときに母が脳出血で半身麻痺で7年間介護していましたが、幼少期に虐待されていたので本当に色々と思い出し、肉体的にも精神的にも辛い介護生活を送っていました。脳出血で思考も少しおかしくなり、便を家の壁にベタベタつけられたときは本当に死んで欲しいと思いましたが、今は私自身子供も出来たので幼少期の母の虐待の原因も少しは理解できるようになったような気がします。最近やっと、産んでくれてありがとう。と思える日も出てきました。

おこおこさま

おこおこさまの「産んでくれてありがとう」と思える日もあるというお言葉・・・・すごいです。なかなかスイッチを切り替えるのは難しいはずなのに、その域に達することができてかっこいいです。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか