お世話になっているデイサービス所長に献本に行ったら、とんでもないことになった1日の話

デイサービス


母が通うデイサービスに、自分の本を献本する

出版が実現したら、どうしてもやりたかったことの1つでした。

デイは図書館的機能も兼ね備えていて、近所の子供たちが本を借りたり、利用者に限らずいろんな人が借りていきます。そこにわたしの本も加えたかったんです。

新刊は下の写真のように面展開して頂くのが普通ですが、今回の出版は母には内緒。撮影後は、縦に棚差しにしてもらいました。

未だに東京の会社(勝手に大企業と思ってる)で働いていると思ってて、実家と往復を許す会社はすごい、よっぽどの大手だと勘違いしてます(笑)

デイの本棚。この真後ろで、週1回母はくつろいでます。
デイサービス

17時にデイ所長と待ち合わせでしたが、わたしは書店回りでヘロヘロになり、時間つぶすのもムリで1時間早く到着しました。

しばらくすると、ドドドドド、ん?何の音だ?

近所の子供たちが、デイ相談員さんに、チャンバラ用の刀を作りたいから、新聞紙くれと言ってます。(下の写真)
IMG_1676

17時を過ぎましたが、来る気配がありません。

すると、今度は見慣れない大人たちが、続々と入ってきます。

料理が運ばれ、お酒がどんどん・・・ん?何が始まるんだ?

「今日は地域資源の勉強会があって、その打ち上げをここでやるんです」

ついさっきまでデイサービスとして機能していたのに、終わったら近所の子供たちが集い、夜になると今度は大人たちが酒を酌み交わすという・・・ステキ過ぎるこの空間!

当初の目的だった本を献本し、デイ所長にごあいさつをしました。本当はデイのことをたくさん本に書きたかったのですが、諸事情ありまして、ほとんど触れてません。その事情もステキなんですが、それもオフレコです。

デイ相談員: 「入っていきますか?」

くどひろ: 「えっ?」

勉強会打ち上げになぜか関係ないわたしも参加して、みなさんと名刺交換をしました。偶然、書店回りに使った名刺を持ってたんです。名刺交換すると、みなさん社協(社会福祉協議会)の方、要はプロ集団でした。

地域資源というので、天然ガスとか自然資源かと思ったら、地域にある人的資源などのことでした。地域の活性化の素材になり得るものすべてが資源なんですね、志高い方々です。

圧倒的に質問されたこと、それは、

「ブログで生活できるの、やっていけるの?」

ということでした。この場でなくても、だいたいその質問を受けます。

「何を持ってやっていけるか?」

ということなんですが、

35年ローンで家を購入して、車も購入する・・・ これはできません。でも、

東京と実家を年数十回往復して母親の様子を見ながら、人並みにおいしいごはんや飲み会に行って、家賃も払える

これはできます。前者は望んでないし、後者は可能なので、「やっていける」 と毎回回答します。金銭的な不安は少しはありますが、心の余裕が会社員時代とは比較にならないほどあります。

これは認知症介護においては、超プラスだと思ってます。心の余裕がもてないようなストレスフルな環境は全く望んでません。たまたまご一緒させて頂いた、藤井教授とお話しました。これもまた不思議な出会いですが。

神戸学院大学・藤井教授のお話

デイサービスをずっと拒んでたおばあちゃんがいましてね。旦那さんも困り果てて、どうしようか長い間悩んでいたそうです。ある日おばあちゃんといろんな話をしていると、どうやら氷川きよしのファンだということが分かりました。

くどひろ: 「ほう」

それで、氷川きよしのコンサートがあるから、一緒に行こう!と行って、おばあちゃんを連れだしたんだそうです。迎える先ではでっかいポスターを貼って、いかにも、きよし来るぞ!的な演出をして出迎えたんだそう。

くどひろ: 「はいはい」

もちろん、氷川きよしは来るわけもなく、ただポスターを貼っただけの簡易的なものだったわけですが、結果おばあちゃんはというと、それがきっかけでデイサービスに通い出したというんです。

くどひろ :「面白い!それブログに書いていいですか?」

書いちゃいました!ちなみにうちの母は、氷川きよしを見ると必ず

「この人、最近顔変わった」

と意味不明なことを言います、何が変わったんだろう??

今日もズンドコ、ズンドコ。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか