1年に1回の認知症テスト。昨年は30点満点で6点、今年は?

毎年1月は、認知症の母がものわすれ外来で改訂長谷川式認知症スケール(30点満点)を受ける月です。2023年は6点でした。さて2024年の結果は?

いつものように母の答え方を隠れて聞いていた

毎年恒例ですが、出題者である看護師さんと母が見えない場所にわたしは立ち、母の答え方を耳をそばだてて、聞いておりました。しかし、ブログの記事にするまでの内容ではなかったのです。理由は下の写真のとおり。

テスト結果の用紙(30点満点で1点)

2024年はなんと、1点。唯一答えられた場所は、「682を後ろから言ってください」だけ。他の問題に関して母の答えは、

急に言われてもね。前もって言ってくれたら、答えられたのに。

わたしは心の中で、

くどひろ

前もって言ったら、テストにならないでしょ。

と。出題する方によって、点数は変動します。今回の看護師さんが厳しかったかというと、そうではなくむしろ優しい方でした。ヒントを出して、待ってくれる感じではなかったのですが、母の答え方からして、待っても答えが出ない雰囲気でした。

母は答えよりも、「分からない」「覚えていない」「いっぱいあり過ぎて、答えられない」と言い訳ばかり言うし、考えてる感じもありません。だから誰が出題しても、1点という結果に変わりはなかったと思います。

亡くなった認知症の祖母の最後のテストは5点だった

昨年の母は6点でしたから、正直なところ1点もそんなに差はないと思いたいところです。でも、1年で5点も下がったのは、ペースとしてはよろしくないです。だいたい1年で、2点~3点下がるペースでしたから。

もう下がりきったから、この先はゆっくり落ちていくと思っていたら、まさかの急降下。あとは0点しかないところまで、下がってしまいました。

89歳で亡くなった認知症の祖母が、亡くなる1年前にテストを受けたときは5点。その時は、同じ野菜を何度も繰り返していました。でも今の母は、1つの野菜も出てこない状態です。家では、野菜を5つ言えました。とはいえ野菜は6つ目から加点されるので、結果は同じです。

衝撃的な点数ではあるけれど

ひょっとすると、認知症のサプリ系を全部止めてしまったので、その影響もあるかもしれません。今までは効いているかどうか、判断が難しいところでしたが、この下がり方を見ると実はしっかり効いていたのかも。このあたりは、これから探っていきます。

一般的なテストだったら、これ以上点数は下がらない。あとは上がるだけとかポジティブに考えられます。でもかなり認知症が進行したうちのような場合は、これからの上昇はあまり期待できないかもしれません。

1点だから在宅介護はムリ、1点だから遠距離介護はムリ。そんなふうに点数だけで、判断しません。母はまだ在宅の限界に達していないと思っていて、もはや点数うんぬんの世界ではないです。このテストを開発された故長谷川先生も、点数がすべてではないとおっしゃってましたし。

もう0点しかないわけですから、来年2点とか3点取ってくれたら、めちゃくちゃうれしいかもしれません。落ち込む局面なのかもしれませんが、ここはしれっと介護していきますよ!まずは大腸内視鏡検査を無事クリアしてもらって、話はそこからです。

音声配信voicyの最新回は、ブログで書いた話とは違う感じでガス乾燥機について語りました↓

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか