廣済堂出版の健康人新書シリーズから、コウノメソッドの河野和彦先生の最新刊がこの2月に発売されました。1日でサラッと読める内容でしたので、早速の書評です。
今年はコウノメソッド2017が発表されていません
昨年の年初に発表されたコウノメソッド2016について記事にしたところ、Facebookのいいね!が三桁になりました。
残念ながら今年は発表されていないのですが、この本を読むとコウノメソッドの最新の状況が把握できると思います。
本の内容とこんな人が読むといいかも
この本は「安く簡単にコウノメソッドの最新状況が学べる本」だと思います。河野先生の本は3,000円以上することもありますが、こちらは850円(税別)。ページ数も190ページですので、1日あれば読み終えることができます。
- コウノメソッドについて知りたい方
- 今飲んでいる認知症のお薬で、どんな副作用が起きるか知りたい方
- 認知症のお薬の選択肢を、保険適用外に広げて考えてみたい方
- わたしもやりましたが、家族が主体的に薬の量を減らす例を知りたい方
こういった方が読むといい本です。介護家族の場合、使ってないお薬の話を読んでもピンとこないので、そういう箇所はあります。ただ、そのお薬を使う段階になったときに、この本を読み直すと理解できると思います。上記4つ目の項目について、少し引用します。
聞くと、コウノメソッドを勉強された娘さんが「家庭天秤法」を実践され、わたしの処方を減量して、リバスタッチパッチは半分、パーキネスは朝に半錠・・・(略)
家庭天秤法は、コウノメソッド3本柱のひとつで、家族が薬の量を調整するというものです。具体的な量については医師と相談して欲しいのですが、「処方された薬を何の疑いもなくすべて飲み切る」というほとんどの人がやっていることに、一石を投じたことが重要だったとわたしは思っています。
その考えを持っていたから、母にレミニールを飲ませてひたすら観察し、結局は医師に言って止めました。認知症の人を観察もしないで、ただ薬を飲み切ることが正義!という意識がなくなったのは、わたしの認知症介護にプラスに働きました。本の中で、河野先生はこのように言ってます。
大切な人を薬害から守るためにも、ぜひ認知症と認知症治療、使われる薬の知識を深めていただきたいと思います。
やってはいけないこととして、この本を近所のもの忘れ外来に持って行って医師と話しあったら、間違いなく話は噛み合わないです。そこは全国にいるコウノメソッド実践医を訪ねてください。
このブログを読んでいる皆さまは、ものわすれ外来に行っても医師の誤診があったり、薬の処方を間違うこともあるという現実を知っているかと思います。これから認知症介護が始まる人は、まさかそんな状況になっているとは思ってもいないので、「え、そうなの?」という刺激を与えるのに、いい本かもしれません。
本を読まれた方がツイートされていました。
認知症は単なる疾患ではなく、
「社会的」疾患です。
ひとりの患者さんがいれば、
背後には必ず介護する人がいます。/『認知症治療は9割が間違い』
— 右京 (@oyasama20) 2017年2月24日
認知症治療は、
すでに「側頭葉の時代」から
「前頭葉の時代」に入っていると
いってよいのです。/『認知症治療の9割が間違い』
— 右京 (@oyasama20) 2017年2月24日
今日もしれっと、しれっと。
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