【登壇】認知症のBPSD(行動・心理症状)の興奮・帰宅願望について、こんな話をしました!

認知症 BPSD

先週は、2回ほど登壇の機会があって、認知症について家族目線でお話させて頂きました。どんな話をしてきたか、ブログでご紹介します。

きらめき介護塾渡辺さんから学んだこと

きらめき介護塾代表の渡辺哲弘さんは、滋賀県内の介護現場で介護職員、相談員、ケアマネ、管理者を17年間経験したあとで、きらめき介護塾を立ち上げました。認知症ケアの講師として年間300回の国内講演を行い、ハワイでも講演したことがあるそうです。

渡辺さんの語り口の柔らかさは、認知症を地域に理解してもらうのに最適で、ご本人も教育学部で学んだ経験が存分に発揮されているとお話されてました。

下記のような教え子たち(トレーナーやシスターと呼ばれる)が全国にいて、認知症を地域に伝える活動をしています。

今回はBPSD(行動・心理症状)の興奮、帰宅願望について、家族・介護・医療の立場から話すというイベントでした。認知症の方がなぜ興奮するのか、帰りたいと思うのかを、身近な例に当てはめて説明して頂きました。一度機会があったら、渡辺さんの講演聞いてみてください。認知症を、自分事として考えられるようになると思います。

わたしがお話した内容

『86歳のリウマチを持つ女性が、いよいよ一人暮らしが難しくなってグループホームに入居することになりました。しばらくして施設内をウロウロして、壁にオシッコをしました。スタッフは徘徊・放尿が始まったと言って家族を呼び、一緒に病院を受診しました。スタッフが診察を抜けて先に帰ることになったあとで、家族はこういったそうです。「新しいホームに入居して場所が分からなかっただけ、トイレもたまたま間に合わなかっただけなんです」結局この方は、グループホームに慣れると、徘徊も放尿もなくなったそうです。』

ある認知症セミナーで聞いた話です。1つの出来事でも、スタッフと家族の見方がまるで違うことが分かります。結局、BPSD(徘徊、妄想、暴言、せん妄、幻覚、異食などがある)も、見方によって全く違うものになるといういい例だと思ってご紹介しました。

2年前のわたしは、母の行動をBPSDに当てはめて考えていた時期があったのですが、今はあまり当てはめることはしません。当時はかかりつけ医に事細かに報告していましたが、今はほとんどしていません。本当に苦しいときには相談するつもりですが、今はなんとかなっています。

介護者がどれだけ症状を受け入れられるかで、BPSDは大きく変わってくるものだと思います。介護者が「興奮・帰宅願望」と言えば、医師や介護職の人が解決しようと努力してくれます。その努力の結果、余計な薬で鎮圧しようとすると、逆に悪化することもあります。行動・心理症状の「心理」というコトバは、介護者側の「心理」にも大きく影響しているとわたしは考えています。(どんなに見方を変えても、ダメな時もありますが)

ちなみにBPSDを引き起こす原因の1位は「お薬」で25%というデータがあります。レビー小体型の場合は、4割にまで上昇します。同じくらい影響が大きいのは外的な要因、すなわち家庭環境や施設環境です。

そしてもうひとつ、母の通う診療所でスタッフ、当事者、ご家族が集まるイベントがあり、想定外の「気づき」を得ることができました。

「馬鹿者!」と言われて思い出したこと

へっちょこだんごという郷土料理や、繭クラフトを作るイベントがあって、最後に全員集合して今後の診療所の方針について聞くという会でした。車椅子で参加された方もたくさんいらっしゃいました。万が一のために、吸引器・点滴などの医療バックアップ体制も万全で、スタッフの皆さんの準備は大変だったろうと思います。

わたしは受付を担当したのですが、そこである「気づき」がありました。いらっしゃった方が、ご家族なのか、患者さんなのか、分からないのです。そんなとき突然、こう言われました。

男性患者さん
馬鹿者!

こういうこともあるだろうなと予測していたのですが、それでもビックリしました。いかに事前情報があることが大切で、それによって準備ができたり心の余裕が生まれていることに気づかされました。

男性患者さんの奥さま
こういうの慣れてるでしょ?

確かに、亡くなった祖母が「そこで?」というタイミングで怒ることがありました。でも慣れていることもあって、ビックリはするけど、受け流すことができました。今回はなんとなく予測していたとはいえ、完全に不意を突かれました。

熱いだろうな・・と思いながら、お湯に手を入れて温度を確かめたら、やっぱり熱かったという感じが祖母の場合です。一方今回のケースは、お風呂どうぞと言われて入ったら、めちゃくちゃ熱くてビックリしたという感じでした。

顔や名前、その人がどういう症状なのか理解していること、そういった基本情報を知っていることの大切さに気づけてよかったなと思いました。接している時間の長さに比例して、介護家族はいろんな情報を集めてそれを自分で受け流す方法を身に着けているのだと思いました。接する時間が短いと、対応に苦慮します。

医師の初診は、そういう意味で大変だろうなと思いました。情報を探る前に叩かれることも、あるでしょうし・・・

トークセッション直前で始まったウクレレ

また、わたしが登壇したあとでトークセッションまでの間にわずかな時間が空きました。何か話してつなごうかなと思った瞬間、患者さんが突然自慢のウクレレを弾き出しました。

病院の外来でも弾いているらしく、事前に奥さまが分かりやすいように楽譜にコードを書いていました。イベント中にも弾いていたのですが、まさかこのタイミングとは思いませんでした。

どういった認知症の症状なのかは分かりませんが、それでも見事な腕前でした。大人数が集まったその会場は、昔演奏していたコンサート会場に見えたのかもしれないと思いました。「手続き記憶(カラダが覚えているという記憶)」がしっかり残っている典型例だよなぁ・・・と。

わたしの本がきっかけで、いい病院に出会えてよかったと言われたのはかなりうれしかったです。

今日もしれっと、しれっと。

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2 件のコメント

  • くどひろさん イベントお疲れ様でした。
    お会いしてお話しできて 貴重なアドバイスありがとうございました!
    1人で実家へ通ってると煮詰まってしまうので、イベントに参加したり、同じような方とつながることで とっても救われてます。
    今回もたくさん元気もらえました。そして今、帰りのバスです。これからもブログやイベント楽しみにしてます!

  • てんさま

    こちらこそありがとうございました!!

    「にじいろのわ」は今後も開催されると思います。(あのような大きなイベントではなく、こじんまりとしたやつ)1人で煮詰まりそうなときは、足を運ぶとさらに仲間が増えるかもしれません。(診療所とかみたけで開催するような気がします)わたしも明日の朝、新幹線で帰ります。今年は特に寒いのでまだ食べてないのですが、カッチカチのスジャータアイスを食べようかと・・・

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。ものがたり診療所もりおか地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父も、別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)