祖母の一時退院を実況中継、主役はまさかのあの人?? 

祖母(89歳)を、3時間だけ一時退院させました!

寝たきりがどんどん進んでしまうので特別養護老人ホームへの移動を試みるも、子宮頸がんが進んでいるということで、最期まで今いる病院にいたほうがいいと判断された祖母。特養への移動の時に、自宅に寄り道を何度も試みていたのですが、こうなってくると元気なうちに帰宅させたほうがいいということで、帰宅させました。

認知症レベルはやや高度なので、自宅へ帰る事を理解できるかどうか・・・

一時退院までの準備

1.病院へ行って、外出届を提出。先生の許可をもらう
2.わたしたち家族はオムツを替えられない、車椅子からベットへ移動することもできないので、ヘルパーさんを一時的に雇う
3.病院から家までは車椅子での移動となるので、車椅子移動できる介護タクシーの手配をする

そんなに大変ではないんですが、これくらいの準備が必要です。われわれ家族だけでは何もできないので、いろんな方の手助けを借りる必要があります。万が一の保険ですね、これはわたしがすべて手配しました。

画像で一時退院

病院に来てくれた介護タクシーです。車からスロープが出てきて、ウィンチで車椅子を引き上げます。運転手さんはヘルパーさんの資格をお持ちなので、慣れたものです。
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車で30分かけて、自宅に到着。最初の難関が玄関のこの段差。タクシー運転手兼ヘルパーさんは男性で、この段差のことを前もってお話しておいたのですが、結論は ”楽勝” でした。これくらいの段差はなんなく乗り越えられるんですね。ヘルパーさんが、『ワクワクする』 とおばあさま言ってましたよ と言ってくれました。

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10か月ぶりの自宅、そして自分の部屋。認知症のやや高度レベルな祖母ですが、ついたら笑ってました。病院では見た事がない笑顔で、認知症でもきっと自宅は感覚的に理解しているのかなぁと。
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うちの母(認知症)、わたし、妹、妹の子供たち、ヘルパーさんの7名ととてもにぎやかな3時間だったんですが、この一時退院でいろいろと学習しました。

一時退院で分かったこと

まずは、3時間の滞在は長すぎたという点です。2時間ぐらい経ったときでしょうか、祖母が突然キレだしました。どのタイミングで、なぜ切れたのかは不明だったんですが、ここで忘れていた事を思い出しました。

『病院で穏やかな表情しか見てなかったから忘れてたけど、レベルの高い認知症だった!』

認知症の方って、突然キレたりすることがあります。病院にお見舞いに行っても、滞在は1時間程度。たまたま穏やかな時しか、会ってなかったんだと。おそらく長時間座って疲れたんだと思います。合間に、『疲れた?』 って確認はしていたんですが、それでも疲れたんでしょうね。

2つ目にだれがこの3時間主導権を握ったかというと、祖母ではなくまさかの ”母” でした。認知症の母が3時間しゃべりっぱなしで、ヘルパーさんに怒涛の質問攻撃!

『なんでヘルパーさんの資格をとろうと思ったんですか?』

この質問、3時間の間に何回してるんだ? こればっかり聞いてます。わたしがカットインして、話題を逸らすんですが、あまり意味がなくヘルパーさんには迷惑かけてしまいました。祖母は黙ってニコニコ話を聞いていたんですが、突然、

『ひとりでずっとしゃべって!!』

う、うん・・・祖母は間違っていないし、指摘も鋭い!2度目のブチ切れでしたが、ちょっと助かった部分もあります。

ただ認知症の母にとっては、びっくりな出来事で、

『久々に母に怒られて、ショックだった~』

と後日談。会話は覚えてない母ですが、この怒られたことは覚えているんですよね~ 内容は覚えてなくても、感情だけはやはり残りますね。認知症の母の暴走もあって、3時間はあっという間でした。最後に祖母が、

『早く帰りたい!』

とすばらしいシメをしてくれました・・・・

『どこに?(笑)』

一時退院の3時間はこうやって過ぎていきました。想像以上に祖母が元気で、動ける事が分かった反面、母の認知症は急激に進行しているなぁ・・・

最初の10分ぐらいは感覚的に家に戻ってきた事を分かっていた祖母。穏やかで自宅の庭をじーっと見ていて、表情も見たことないくらい明るい。でもって、キレる元気もある! 家族としても自宅に帰らせたいという想いがあったので、一時退院はやってよかったなって思います。

いつ緩和ケアが始まるかも分からないし、以前のように意識レベルが低下する可能性もあります。でも今回の一時帰宅は、そんな様子はどこにも見られませんでした。

次回の一時帰宅に向けて

結局ヘルパーさんに介助してもらう機会はゼロで、”祖母のために” お願いしたヘルパーさんは ”認知症の母のための” お仕事になってしまいました。まさかの3時間、母の話を聞きっぱなし・・・・かかった費用は約1万円。月1回ぐらいは今後もやっていこうと思うのですが、1回2時間程度にすることと、ヘルパーさんの役割をどうするか 考えないといけないですね。

来月が90歳の誕生日で、卒寿なんですよね。軽く誕生日パーティーでもしようかなと思っています。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護2)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父(要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)