【介護者の変化】昔見た 「映画や番組」 がまるで違って見える事ありませんか?

往年の大女優グレース・ウィラーは、ある映画の試写会で再び注目され、大はしゃぎ。

「わたしはもう一度、スターになるのよ!」

グレースは昔の共演者であり、かつての恋人ネッド・ダイヤモンドに自身のカムバックについて熱く語ります。ところがカムバックには、50万ドルという大金が必要。ネッドが大金について説明しても、舞い上がってしまったグレースは聞く耳を持ちません。

グレースは帰宅後、元内科医である夫のヘンリーに50万ドルを工面してくれるようにお願いするものの、あっさり拒否されます。どうしてもあの華やかな舞台に戻りたいグレースは、理解のない夫のヘンリーを拳銃で殺害してしまいます。

睡眠薬で夫を眠らせ、拳銃を持たせて引き金を妻グレースが引く。自殺に見せかけた殺人です。この自殺を担当するのは、コロンボ警部。(この話は刑事コロンボの話です、いまさら(笑))

コロンボ警部は女優グレース・ウィラーのファンで(かみさんも)、若い頃に全作品見たとのこと。
(→いつもこういう事いいますよね、コロンボ警部は)

グレースは遺産の目途が立ったところで、カムバックへの舞台稽古に臨みます。しかし往年のスターは、ダンスのタイミングが合わず、なかなか覚えられません。

自殺とは思っていないコロンボ警部は、執拗に往年の大女優グレースに詰め寄ります。そしてグレースの上映会にコロンボ警部は招待され、そこで謎解きが始まります。

実は夫のヘンリーは妻が脳動脈瘤を患っていたため、カムバックに反対したのです。50万ドルという金額は、問題ではなかったのです。グレースは病気が進行するにつれて記憶を失くす病気で、余命はわずか2か月。病気自体も妻には隠していたのに、そんな妻に殺されてしまいました。

コロンボ警部がグレースを逮捕しようとするも、グレースは自分が夫を殺した事を忘れてしまいます。そういう病気なのです。

その病気をコロンボ警部から聞かされた元恋人であるネッド・ダイヤモンドが、大女優グレースにこう言います。

「僕が殺したんだ。ヘンリーが再びスターの座に就く事を反対してたからだ。」

「なんでそんな事したのよ・・・」 とグレースは、”本気で” 泣き崩れます。

コロンボ警部は大女優グレースを連行せず、元恋人のネッド・ダイヤモンドと署へ向かいます。

コロンボ警部: 「あんたの自白はすぐにひっくり返されますよ」

ネッド: 「頑張って見せる、2か月間は・・・・」

コロンボ警部が “唯一犯人を逮捕できなかった” のが、この 「忘れられたスター」 の回です。現実の世界ではコロンボ役を演じた俳優 故ピーターフォークさんは認知症になり、娘さんが日本でいう成年後見制度を利用して財産保護をしたそうです。

ピーターフォークさんの晩年のこと、認知症のうちの母のこと いろんな事を考えながら、NHK BSプレミアムで再放送中の刑事コロンボ見終わったのでした。

なんとなく見ている番組や映画も、”認知症介護というフィルタ” がかかると、まるで違う内容に映りますね。認知症本人が日々変わっていくように、わたしたち介護者も変化しているんです。介護者が成長しているから、まるで違って見えるんです!

「私の頭の中の消しゴム」 とか、今見たらやばいんだろうな~

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ABOUTこのブログを書いている人

1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護2)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父(要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)、著書:がんばりすぎずにしれっと認知症介護 (新日本出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか