認知症の経過報告(2年と27週・28週間目) 母の誇りはカレー漬

わたしが嫌いなものは、「漬け物」 です。これを言うとほとんどの人が、「出身が出身なのに、どうして」 と言います。大阪の人がすべて阪神ファンでないように、嫌いな人もいるんですよ(笑)

今から35年前、わたしがまだ小学生の頃、家族みんなでりんご園に行きました。りんごを採った数は全く覚えてませんが、このことだけははっきり覚えています。それは、母がりんご園のご主人から頂いた 「カレーの漬け物」 のことです。

認知症になる前の母は、お店の料理を家で再現できる人でした。何の調味料を使っているか、分かる人でした。しかし、この「カレーの漬け物」 だけは再現出来ず、失敗に失敗を重ね、数年がかりで見つけることができたのです。

この苦労話が大好きな母は、訪看さん、ヘルパーさん、ケアマネさん、とにかく家に来る人すべてに話したので、みなさんも「カレーの漬け物」に興味津々。しかし言ってばかりで2年も形にならないので、みなさんも 「いつもの話ね」 と内心思っていたと思います。

昨年作ってもらったら

あまりに言い続けるので、昨年言われた材料をそろえて作らせました。しかし、分量は違うし、漬け方が甘い!

そりゃそうです、洗濯物を濡れたままとりこむ母ですから、一晩寝かすということができません。塩もみして30分経たずに次の工程へ移ったのです。本人はこれでいい!と言って聞かないし。

わたしは食べられないので、妹に味見をしてもらったところ、材料はあっているけど分量と日数の問題だと分かりました。そして、今年。未だにカレー漬の話をする母を見て、「しょうがない、やってみるか」 と。

で、早速材料をそろえ、ネットでレシピを調べてみることに。カレーのピクルスが近かったので、それを見ながらわたしが作ってみることにしました。

ポイントはローリエ

母は 「ローリエ」 を入れることを、苦労して見つけたのでした。ということで、酢、カレー粉、キュウリ、ローリエ、砂糖、塩を準備します。ジップロックできゅうりを塩もみして、1晩寝かします。

こちらが材料すべてです。
20151002_192240

塩もみして1晩寝かしたキュウリに、カレー粉・砂糖・酢を混ぜたものをレンジで温め、それをジップロックにいれてまた1晩寝かせます。

20151003_070830

で、こちらが完成品!
20151004_172325

カレー漬を作ったあとの母の反応

1回目作った時は、カレー粉と砂糖が足りないと母が。それで言われたとおり2回目作ったら、母が大絶賛!

「わたしよりうまいじゃない!」

量も少ないので、1日でペロリ。あまりに食べるペースが早いので、3回目を作りました。すると、母がわたしにこう言いました。


「わたしが作ったカレー漬、そういえば皆さんに食べてもらった?」

そ、そう来ましたか・・・、うぬぼれ過ぎでしょ、さすがに(笑) 

「あんたが作ったのよね」 と気づく日もありますが、うぬぼれる日もあります。母が作ったことにして、皆さんに振舞えば、うぬぼれを助長させることになりますが(笑)、認知症的にはいいことですよね。

「わたしは、まだまだできる!」

そう母が思うようになり、生活にハリが出て、そして認知症の症状もおだやかになる・・・たぶん。

ちなみにこの 「カレーの漬け物」、 ホント一度も味見してません・・・嫌いだから。レシピ公開しましょうか?って、自分がうぬぼれてどうする!!

今日もしれっと、しれっと。

にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ にほんブログ村 介護ブログ 遠距離介護へ
■2017年8月13日放送「ひだまりハウス(ニッポン放送)」のラジオ出演の音源はこちら

■わたしの最新刊です!
スポンサーリンク

 

ABOUTこの記事をかいた人

1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。ものがたり診療所もりおか地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父も、別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)