認知症の経過報告(29週間目・30週間目) 「祖母の死」 がどう影響したか?

認知症の母(70歳)が、コウノメソッドと出会い、どう変化していくか毎週経過を観察しています。

認知症の母の状態と、現在行っている認知症治療

・コウノメソッド実践医にアルツハイマー型認知症(軽度)と診断されたのが、2013年4月上旬?
・おそらく1年前くらいに発症、祖母が子宮頸がんで入院して家で1人になってから一気に悪化
・サプリメントのフェルガード100M(1日2回)と、お薬レミニール8mgを1日1回処方。
ココナッツオイルとMCTオイルのミックス が、寒さで白く固まってしまいました

30週間目に訪れた 「祖母の死」

「母さんはわたしが病室に行った時、パッと目を覚まし、「母さん」と声をかけると、スーッと息を引き取った」

これは認知症の母(70歳)の、作り話です。”自分の母の死” という、かなりインパクトのある出来事でも、認知症という病気の方が勝ってしまうんですね・・・

正直、母が泣き崩れるんじゃないか? そう思って見ていたんですが、全くいつもと変わりません。おそらくですが在宅介護ではなく、病院での介護だったため、この1年間祖母とは別々の生活をしてきました。だから、悲しさもそんなにないんだと思います。

この週は、久々の親戚と会って話したり、23年別居中の夫と10年ぶりの再会をしたり、お通夜、火葬、葬儀と日々時間に追われ、普段の穏やかな生活は全くできません。そのせいか、完全にパニック状態になりました。

パニックといっても、あわわ・・・って感じではなく、いつもの5倍、同じことを聞くという行為が連続で、しかも短時間で襲ってきます。さらに妄想話を作っては、自信満々に話す・・・葬儀会場に来た方は、それをまともに信じてます。自分が喪主で忙しかったので、母と一緒に行動できなかったのでやむを得ません。今までの経過報告で最悪の週ですが、最高の週でもあったんです。

「祖母の死」は、親族に認知症を知らせるいい機会になった

今回葬儀に来た方は、”ものすごいご近所の” 親族ばかり。たまに家に来ても、短時間では母の認知症に誰も気づいてなかったのです。喪主のわたしは、いろんな方に声をかけながら、母が認知症であることを知らせました。

「全く気づかなかったわー」 「おばあさんもお母さんも両方で、本当にご苦労様ですー」

親戚からみれば、なんで喪主が孫なの? となるわけです。別居中の父の件はみなさん知っていても、母の認知症は知りません。喪主がわたしな理由に、みんな納得したようでした。「暗黙の了解」 って言葉がありますが、何も知らないお通夜に参加した町内会長が面白かったです。

町内会長: 「あれ、だんなさんはどちらにいるの?」
親族  :  ?「・・・・・・・・・」 

わたし(心の中の叫び): 「おいおい、ずいぶんとピュアな町内会長だな!でも事情を知らないし、しょうがないよな。喪主だし、わたしが説明したほうがいいかな・・・」

なんて考えていたところ、たくましいおばちゃんが、

おばちゃん: 「早い話、別居よ、別居!」

こんな微妙なやりとりがあったんですが、認知症の母は全部忘れてます。こんなくだらないやりとり、覚えている必要はないので、認知症でよかった瞬間でもありました。近所や親族など、周囲の体制は 「祖母の死」 をきっかけにどんどんよくなっています。一方で母の認知症の症状は、「祖母の死」 をきっかけに、予想どおり悪化しました。

悪化の本当の原因は、「祖母の死」 ではなく、「祖母の死」 にまつわる家族間のくだらない争い、10年ぶりに再会した夫の心無い態度です。これは別途書きます、わたしが喪主ダイエットに成功し、2㎏やせてヘロヘロになったのも、これですからね(笑)

結論

2週間後に、2か月に1回の認知症検診があります。長谷川式のテストを久々に受けてもらおうと思っていますが、今のままならば20点以下も覚悟しないといけないかもしれません。

 


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか