まずは、ライターのヨッピーさんの話をご紹介します。
バンジージャンプってあるじゃないですか。皆さん、夜中に1人でバンジージャンプ飛べって言われても多分飛ばないじゃないですか。誰も見てないんだったら。馬鹿じゃないですか。でも友達が下で5人くらいがこうやって待ってたら、ちょっと飛んでみようかなって。これが今度、東京ドームで3万人に囲まれて手拍子されてたら、これ飛ばないといけないじゃないですか。っていう考え方を僕は持ってまして、「見ている人が増えると、その分だけ頑張れる」みたいなところがあるんですよね。
引用元:http://logmi.jp/68954
これを「舞台理論」というそうで、舞台に上がる役者は観客がいるからモチベーションをもって演じられるし、頑張れるという意味と解釈しました。
「介護における」わたしの舞台理論
認知症の祖母・母の遠距離介護をブログに書き続けて丸4年なんですが、まさにこの「舞台理論」が当てはまります。
実際に舞台に上がったり、武道館で講演しているわけではないのですが、毎日数千回もこのブログは読まれます。舞台には上がってなくても、わたしには舞台のような感覚があり、読まれているという意識は持っています。
もひとつ、介護者としてきちんと振舞おうという意識も生まれます。母がわずか3分で10回同じことを言うと、イラッとすることもあります。それでも、「舞台理論」が頭の中で作動してくれるおかげで、暴走せずに済んでいます。あんなこと本やブログに書いておいて、暴言を吐くなんてダメでしょ!と自らに言い聞かせることが出来ます。
だからといって常に優等生でいたら、自分が疲れるだけなので自然体を意識しながら「舞台理論」を働かせてます。なので、こんなつまらないケンカもします。
テレビを見ながら、数分で10回この質問をされました。最初はふつうに、慎太郎元都知事の二男坊と答えていたのですが、何度言っても兄弟と言うので、石原家の家系図を書いてしまいました・・・ケンカになってないか。
アクセス欲しさにチェーンソーでクロネコヤマトに乱入するYouTuberがいましたが、より多くの観客に見てもらおうとムリをするとあのようになります。わたしが舞台理論を意識しているのは、自分全体の2割程度といったところでしょうか。それでも、優しい認知症介護をするための必要なパーツになっていると考えています。
身近で試そう!舞台理論
誰かに見られているという意識を介護する人が持てば、虐待が減り、優しい認知症介護ができる人が増えるのではないかと思います。
例えば介護職の方の場合、施設長や上司、同僚、利用者家族の目があります。それでも隠れて虐待が起こることもありますが、舞台理論の効果はあると思います。介護職が社会貢献度が高いというイメージを持たれていることも、舞台理論につながると思います。
一方、介護家族はというと、この舞台理論が作動しづらいです。パジャマをめくったら傷だらけだったなど、人の目が働いてない分、舞台理論からは最も遠いところにいます。
他人を意識しなかったら、スッピンで近所のコンビニにマスクなしで行けますよね?でも、それができないのは誰かに見られる、会っちゃうと思うから、マスクをしようとするわけです。人に見られているから、いつもより張り切ったり、頑張ることができるというメリットが「舞台理論」にはあるのです!
あなたの介護は常に誰かが見ている
そう意識すると、優しい認知症介護につながるのかもしれません。舞台の下で見てくれている仲間(介護仲間や友人、親族、職場の同僚など)を作って、舞台理論を高めましょう!
今日もしれっと、しれっと。