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【認知症の人の料理と火事】IHとガスコンロのどちらがいいのか?

認知症 IHクッキングヒーター

認知症の母は料理好きですが、火をつけっぱなしで他のところへ行ったり、鍋の吹きこぼしがあったりが多発しています。遠距離介護で認知症の母ですから、火事が本当に心配です。

現在使っている、岩手の実家のガスコンロがこちら。

現在使っているガスコンロ

温度を管理するSIセンサーが、上の写真の白矢印の1か所しかついておらず、他の2か所は温度管理ができません。鍋の吹きこぼしと焦げた鍋が増えて、このままではいつか火事になる心配もあります。

IHクッキングヒーターがいいのか、ガスコンロのままでいくかと4か月考えた結果、「認知症で必ず薦められるIHクッキングヒーターではなく、あえてガスコンロ」という結論に至りました。

認知症のかかりつけ医にも、近所の薬局の女性にも、「火は危ないから、IHクッキングヒーターにしたほうがいい」とアドバイスをもらったにも関わらずです。なぜ、ガスコンロなのでしょう?

認知症の人が慣れ親しんでいるのはどちらか?

8年間、母はリンナイの「ガスコンロ」を使っていました。

調理器具の鍋やフライパンも、長年使ってきたものです。IHクッキングヒーターに変更すると、操作方法だけでなく、IH専用の鍋やフライパンに変えなくてはいけません。

認知症でただでさえ覚えられないのに、操作方法も調理器具も変わってしまっては混乱して、料理を諦めてしまう可能性があります。今の環境の維持を目指した結果、IHクッキングヒーターよりもガスコンロを選択したのです。

ガスコンロの真下に電子レンジ(オーブン)がついているんですが、ビルドインタイプのため、IHクッキングヒーターにすると電子レンジも変えないといけなくなるのも、ガスコンロを選んだ理由のひとつです。

新しく購入したガスコンロはこちら

新しくした超シンプルなガスコンロは、これまで使っていた同じメーカーのリンナイで『セイフル』という商品にしました。

わが家の新しいガスコンロ『セイフル』

コンロの口数は3個から2個に減らし、SIセンサーもすべてのコンロについています。同じメーカーでシンプルなはずですが、認知症の母はこれでもとまどっています。

いずれ新しいガスコンロに慣れるとは思いますが、もしIHクッキングヒーターを購入していたら、操作方法で混乱していたことでしょう。今は軽度の認知症でも、症状が進行したときに、IHの操作が全く分からなくなる可能性もあります。

リンナイガスコンロ・セイフルの安全機能

  • 震度4以上の揺れを感知すると、自動消火する
  • すべてのコンロに、SI温度センサーを搭載
  • 煮こぼれで火が消えても、ガスが自動で止まる
  • 鍋を置かないと、点火できない

安全装置が網羅されているので、火事の心配もありません。

認知症の症状「失行」と操作について

「IHの操作方法をマスターできず、料理をだんだんしなくなり、認知症が進行していく」

という方がいるそうです。

母にとって料理は生命線です。料理を止めてしまった瞬間から、認知症の症状は一気に悪化すると思われます。しかも、まだ軽度の認知症で料理ができるのに、IHクッキングヒーターへの変更がきっかけで認知症が悪化してしまったら、目も当てられません。

認知症の人の衣服に引火してしまうような火の扱いであったり、いくら安全なガスコンロに変更しても火事のリスクが消えないのなら、ガスコンロは使わないほうがいいです。

認知症になったら、IHクッキングヒーターに変更したほうがいいとよく言われますが、それぞれのご家庭の状況を鑑みて、ガスコンロの選択肢も安易に消去しないほうがいいと思います。

ちなみに認知症が進行する前に、IHクッキングヒーターの操作を覚えてもらったほうがいいという考え方もあります。一方で認知症が進行すると、直近の記憶から消えていき、昔の懐かしいことは覚えている場合もあるので、そうなるとIHの操作は厳しくなると思われます。

日本人が海外に移住して認知症になり、認知症になる前は英語が話せたのに、次第に日本語しか話せなくなったという方の話と近いかもしれません。

また認知症の症状のひとつ、失行の壁にIHクッキングヒーターはぶつかりやすいと考えます。ガスはシンプルなので、直感で火がつけられます。わが家で使っているガスコンロは、こちらになります。

今日もしれっと、しれっと。


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2件のコメント

認知症の進行程度にも寄りますね。
うちはかなり初期でしたのですぐにIHに代えて覚えられました。
最初は電源のスイッチを入れずにONだけ押して「着かない」と電話かかってきたりしましたが。
料理得意でしたが忘れる不安で茹で野菜もしなくなり、お湯もポットでしか沸かさなくなっていましたが、IHに代えて茹で野菜や肉を焼くなど、単純な料理はするようになり、元々大好評だった牛肉のタタキはたくさん作って近所や近くの親戚にあげて喜ばれています♪

すみこさま

おっしゃるとおり進行程度や、個人差はあると思います。

選択肢はIH一択ではないということを言いたかったので、介護者はいろんな選択肢から選ぶべきかなと今でも思います。タタキの話、ステキですね!

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ABOUT US

工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(78歳・要介護2)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて9年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか