認知症の母に伝える方法は文字よりも音声のほうがよくなってきた話

認知症の母は、10秒前に伝えたことをすぐ忘れてしまいます。

なので、カレンダーにデイサービスやヘルパーさんが来る時間を書いておく、貼り紙を使って注意喚起する、ホワイトボードを活用するなど、忘れる口頭で伝えるのではなく、いつまでも残る文字で伝えることを意識しながら、介護をやってきました。

このやり方のおかげで、わたしは何度も質問に答える必要がなくなり(完全にはなくなりませんが)、ストレスが減りましたし、母も文字を読んで理解するようになりました。

ところが認知症が進行すると、今度は書いている文字が読めなくなっていきます。そこで易しい漢字とひらがなで文字を書き、母でも理解できるよう工夫をしてきました。

ひらがなだらけで伝えた例

この方法もよかったのですが、このまま認知症が進行していくと、おそらく文字が読めなくなる時期がやってきます。そこで最近、文字から音声への転換を始めました。

認知症の母にどうやって音声で伝えるのか?

認知症の母への忠告を、どうやって音声で伝えたらいいのでしょう? 

遠距離介護なので、わたしが東京から都度電話で伝えるも大変です。そこで最近フル稼働しているのが、スマートスピーカーです。正直なところ、お試し感覚で使い始めたのですが、認知症の進行とともに、重要ツールに昇格しつつあります。

わが家のスマートスピーカー

大前提として、インターネット環境がないと利用できません。amazonのEcho dotやEcho showを使っている方が多いと思いますが、わが家と同様のことができます。

googleカレンダーに1週間分の予定を入力し、あとは繰り返し機能を使って、何年も先まで予定の内容をコピーします。

そしてgoogleカレンダーに入力された予定を、指定の時間にスマートスピーカーから、音声で自動で流します。具体的に介護でどんな使い方をしているかというと、

  • 昼と夜の区別がつかない母のために、「今は夜7時30分です」と自動音声で知らせる
  • 朝は今日の予定を5分のペースで、自動音声で何度も知らせる
  • デイサービスの準備を自動音声で促して、ヘルパーさんが来るまでに着替えを終える

わが家はgoogle home miniという旧世代のスマートスピーカーを使ってますが、Google home アプリのルーティーン機能を使って、下記のような設定をします。

ルーティーン画面のスクショ

スマートスピーカーが自動で予定を言う前に「ピロン」と音がするのですが、母はその音に反応してスピーカーの前に行って、音声を注意深く聞くようになりました。そして、今日はデイサービスと気づき、着替え始めます。

母は少しずつ文字が読めない、あるいは読めるけど意味やつながりが理解できないことが増えています。こうなってくると、もはや貼り紙の工夫だけではどうにもなりません。そこで最近は文字ではなく、音声を使って注意喚起する機会を増やしたのです。

柿やリンゴという言葉が出てこなくても、会話のほうはなんとかなります。すなわち、音声の聞き取りは、伝える言葉さえ間違えなければ、まだ理解できます。すべて音声に置き換えることは不可能ですが、活用機会はさらに増えていきそうです。

音声配信voicyの最新回は、ケアマネに嫌われる人のお話です↓

今日もしれっと、しれっと。


 


【わたしが書いた最新刊】
近距離、遠距離に関わらず、認知症の親と離れて介護している方や介護が始まるかもしれない方に向けた新ジャンルの介護本です。図表とカラーで分かりやすく仕上げ、本の内容はNHKあさイチなど多くのメディアに取り上げられました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(79歳・要介護3)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて10年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか