亡くなった父が悪性リンパ腫(血液のがん)と判明したとき、元WBAミドル級世界王者のボクサー・竹原慎二さんの本を購入しようとしました。しかし、本屋サイト経由での予約ができず、父が亡くなった後に手に取って読むことになりました。
読もうと思った理由が、竹原さんは膀胱がんでステージ4、余命1年と宣告されたのにも関わらず、3年経った今も生きているという事実でした。
「なぜ、余命宣告を打ち破ったのだろう。ステージ4からの生還って・・・」
当時、父は余命1か月から3か月と宣告されていたので、竹原さんから学ぶべきことはあるだろうと思っていました。残念ながら打ち破ることはできなかったのですが、父が亡くなった今でも興味のある本でした。
わたしの介護とすごく似ている!
わたしは認知症の母、悪性リンパ腫の父の病気と対峙したとき、できることは何でもやろう!というスタンスです。竹原さんも奥さまも全く同じで、膀胱がんと闘うために驚くほど勉強しています。
ネタバレになるのであまり書けませんが、医者への不信もわたしと同じ体験です。医者というものを絶対視しすぎている人は本当に多いのですが、この本を読むとやっぱりこういう医者もいるなってことが分かります。その医者を選択し、信じてしまうことで不幸な結果が訪れることもあります。
いくつか印象に残っているところを引用します。平均的な医者の誤診率は3割近くあるそうで、
僕らは診断されたことの3割くらいは「もしかしたら医者が間違っているかもしれない」くらいの心づもりを持つのがちょうどいいのかもしれない。
引用元:見落とされた癌(双葉社)
竹原さんが膀胱がんを見つけるまでの医者とのやりとりは、本当に腹立たしい!しかし、あのようなことは癌であろうと、認知症であろうとよくあることだとわたしは思います。医師に対してほんの少しの疑いを常に持つ意識は、やっぱり家族は必要だと思います。
僕は自分の思っていること、望む治療方法、要望をはっきりと言った。疑問点や不安な点も正直な気持ちを話してきた。患者側も勉強し、意思表示をしなくてはダメだ。
引用元:見落とされた癌(双葉社)
このブログでずっと言ってきたことが、この本には書いてありました。癌も認知症もやっぱり、勉強しないとダメです。医師の間違いや誤診はそこらじゅうにあって、そこから守ってあげられるのは認知症であれば介護する人だと思います。
そして竹原さんも奥様も、インターネットをすごく活用されている点も共感しました。体験者のブログもたくさん読んでいたようで、わたしと全く同じです。情報をプロからだけでなく、体験者からも幅広く拾ってくるという姿勢は、本当に大切なことです。体験者の声や文章には、魂が宿ってます。
本を読み終わって、まさかこんなに共感できる本だとは思ってませんでした。わたしが父を亡くした直後に読んだからというのもあるかもしれませんが、本当にこういうことは誰の身にも起こり得ます。どの医師を、どの病院を選択するかで人生、命の長さは大きく変わります。
膀胱がんを見つけるまでの夫婦の飽くなき探求心、登場する医師への怒り、生きたいという願いを叶えるための夫婦の努力、どれをとっても病気と闘っている人、介護している人の「闘争心」を掻き立てる良書だとわたしは思います。
南果歩さんも小林麻央さんも標準治療から代替療法・民間療法に切り替えて、賛否両論あります。父も特別な療法に切り替えて最期闘病しましたが、この本を読むとそういった療法への考え方について共感できる部分があると思います。わたしは、めちゃめちゃ共感しました。
最後に竹原さんのこの言葉をご紹介して終わります、思わず笑ってしまいました。
「自分がエビデンス(科学的根拠)とやらを作ってやるわい!」
いいですね、この感じ!さらっと読める本です。
今日もしれっと、しれっと。
くどひろさん、こんばんは。
勉強しないとダメ、私もそう思います。
自らアンテナを張り情報を集めて活用する事は、本当に大切ですね。
認知症予防にも、初動は本当に大切だと痛感しております。
義母が認知症で要介護2ですが、知識とプライドが大きく邪魔をして、認知症治療には入れなかった
悪い典型例です。
義母の認知症が判明するより先に、実母が認知症でしたので、義母の様子がおかしくなった時に
直ぐに気が付きました。
そして悲しい現実ですが、義母も自身の衰えを十分すぎる程理解しておりましたが
それをガンとして認めず、私が「おかしい」と感じてから3年、既に調理全般出来ません。
そして私と夫と義母、そして亡くなった実母の3人は、現在の医療で認知症には基本完治は無いと言う事を
理解しておりましたが、それ以外の義母の廻りの方は「専門治療を受ければ治る」と考えていました。
これほど高齢化認知症と騒いでいるにも関わらず、無知ほど怖い事はありません。
自分もてんてこ舞いさま
医者を絶対視しないことで、少しは勉強しようという気持ちになると思っています。それはがんも認知症も同じだなって、強く思います。
竹原さんの場合は本当に医師に恵まれてなかったというか、恵まれすぎていたことが仇になったようなところがあります。体験談に勝るものはないなと思わせる一冊でした。