親から相続された空き家・マンションをそのままにしている人が注意すべきこと

亡くなった父の一連の手続きが、すべて終わりました。

昨年6月の入院、在宅医療・介護への移行、看取り、葬儀や遺品整理、相続手続き、最後に残ったマンション売却まで10か月。たった10か月とはとても思えない時間でしたが、得られるものも多かったです。

ブログにどうしても書けなかったことは、今年中にすべて電子書籍に書き、それが終われば本当にスッキリすると思います。

全労済の「火災保険」に救われる

今年2月、マンション共用部分の水道メーターの水漏れによって、部屋の内部が水浸しになる事件がありました。実質空き家状態でしたから、わたしに何か非があるわけでもありません。しかし、家主として復旧の費用負担は発生します。

たまたま全労済の火災保険「住まいる共済」に加入していました。父が亡くなる直前に火災保険の更新をしていたのですが、念のためとその名義をわたしに変更しました。でも 火災保険=水浸し という発想には普通はなりませんよね?

たまたま、台風などの水害でも火災保険でカバーできるケースがあるというテレビ番組をふと思い出し、自分の保険を調べてみました。すると「漏水見舞費用共済金」という項目を見つけ、早速保険会社に電話して審査してもらいました。

わたしは東京にいたので、不動産屋さんに代わりに現地に行ってもらって見てもらったところ、保険の対象になると!カーペットクリーニングにかかった費用54,000円は無事、保険でカバーされました。

正直、父が亡くなったあとはただの空き家だし、火災保険はそのまま放置でもいいかなとも思いました。でも、火事があったりしたらイヤだなと思い、自分名義に変更して「空き家」状態であるという申告も保険会社にしておきました。保険の変更は、やりとりも多くて面倒でしたが、手続きはムダではなかったのです。

資産が目減りしていく恐怖とサヨナラ

もうすぐ全額入金されるので、そこから在宅医療にかかった治療費、相続にかかった登記費用、葬儀代、お墓代、リフォーム代、遺品整理費用、マンション売却にかかった仲介手数料等、すべてわたしが立て替えた分をまず回収して、残ったわずかなお金を妹とわたしで半分に分けて終了です。

自分の資産がどんどん減っていく恐怖は、1度目の介護離職のときにも経験したことがあります。わたしの場合は、そんなタイミングなのにFX(レバレッジ200倍のころ)で大失敗、尻に火がついた経験もあります。おかげで必死になり社会復帰できたのですが、お金がどんどん消えていく恐怖を、今回もまた味わいました。

マンションが売れたら、お金が返ってくるという前提は、あまりに頼りなかったです。1年で売れる、いや2年かかる・・・さらに値下げして売る?みたいなことをずっと考えていました。

自分の資産はマネーフォワードで見ているのですが、父が入院してからというもの、わたしの資産はどんどん減っていて見ていられませんでした。フリーランスですから、会社員時代よりスリルあります。

介護の終わりには、こういった相続などのお仕事が待ってます。わたしは淡々とやってしまったのですが、中にはグリーフケア(死別の悲しみから立ち直るための支援を受けること)を受け、こういった手続きもままならないという方もいますから、介護と同じで相続関係についても、知識はあったほうがいいと思います。

この5年で2回も相続を経験したのでだいぶ詳しくなりましたが、まだまだ知らないことも多いんだろうな。介護される人が亡くなって、空き家で売りに出していても、火災や水害の可能性もあるから保険にはしっかり入っておきましょう!

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

6件のコメント

 お久しぶりです。先日、特養に入った母がその翌日に食事を誤嚥し、窒息して他界しました。
葬儀も終わり今は役所の手続きや保険の請求を始めています。まだ葬儀屋の支払いも終わっていないぐらい最近の出来事です。

今日は祝日で役所もやってないので介護ブログなどで参考になったところをまわったりしています。
その中で一番参考になったであろうこちらのブログ。とてもお世話になりました。
ココナッツオイルの回はすごかったですねw 
そんな思いでもありますがとてもタイムリーな記事、参考になります。
私もこれから相続関係に向き合います。
たぶん税金はかからないと思います(土地を入れても3500もいかないんで)し相続でもめることもないと思います。
最終的にのこった現金を兄弟でわけておしまいかな、と思っています。
ただ、ここのブログのタイトルをみて「40歳からの」なのに「40歳」になる前に介護がおわっちゃったなあ~というこのブログならではの感想をもちましたw

遺産分割協議で苦しみ、喘いでいます。
この年に成って此ほど悩み苦しみの多い、現実生活を味割ったことはありません。
遺産相続のどろどろとした、喧騒感、身内の争いに壁へ気している。

amonさま

今回のコメント「ココナッツオイル」読んで、やっと以前のコメントとのつながりが分かりました。
syから始まるハンドルですね、amonさまの時は理解していなかったかもしれません。そしてお若いということにも、驚きました。

>先日、特養に入った母がその翌日に食事を誤嚥し、窒息して他界しました。

そんなことが・・・特養に対して複雑な思いもあるかと。

>葬儀も終わり今は役所の手続きや保険の請求を始めています。まだ葬儀屋の支払いも終わっていないぐらい最近の出来事です。

ということは、喪主のお仕事もきっとされていますよね。喪主疲れがあると思うので、あまりムリなさらないでください。

こちらこそいろいろ勉強になりまして、ありがとうございます。
相続でもめないというのは、本当に救いだと思います。わたしも2回経験して、そんなに揉めずに終えることができました。
相続カテゴリに、ひょっとしたら使える記事もあるかもしれません。

古谷さま

遺産分割協議がまとまらないケースは多いですよね。ドロッとなってきたら、やはり弁護士など第三者に任せることが一番の近道のように
思います。遺産分割協議に強い第三者の見つけ方が、難しい・・・

すいません、以前のハンドルは「syumitekt」でしたねw
ちゃんと統一していたつもりだったのですが・・・。
 
喪主もしましたし、役所にいけるのが私しかいないので財産は全部いったん私名義になると思います。
ほとんど使用していないネット銀行の口座があるんでそこに残った現金などをいれてあとで割り振りかなあ と思っています。

特養に対しての複雑な思い ちょっとだけありますね。
覚醒をあげるシチコリン、フェルガードLAを飲ませてくれなかったのだろうという思いはあります。
それをのんで一時間もしてから食事すればまだましだったのではないかと思います。
特養に入る数日前にフェルガードをLAに切り替え、いろいろ認識があがってきてるところだっただけになおさらです。

こういう体験をすると施設にあずけるのはどうなんだろうって考えになってしまいますね。
さすがに恨んだりはしませんが釈然としないところはあります。

amonさま

ハンドルが違う期間は、違う人としてわたしもコメントしておりましたww

そうなんですよね、施設だから安心とはamonさまも思ってはいなかったと想像するのですが、それにしても釈然としませんよね。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか