認知症の母と一緒に迎えるお盆までの3つの準備

認知症 お盆 準備

お盆が近づいてきました。

認知症の母と何年かお盆を過ごすうちに、この準備さえしておけば無難にお盆が過ごせることが分かりました。

お墓の掃除

1つ目は、お墓掃除です(年1回のみ)

母は手足が不自由ですし、カレンダーの前以外では今がお盆シーズンだと理解できないので、わたしが墓掃除をやります。

お墓は実家から自転車で10分程度のところにあり、毎年7月末くらいにお墓掃除をやります。

暑い時期なので、太陽が絶好調になる前の朝7時とか8時に墓地へ行き、誰もいないところでひたすら草むしりをします。

持っていくものは、軍手、ビニール手袋(軍手だけだと手が荒れる)、水の入ったペットボトル、雑草を入れるゴミ袋、枝切りばさみ、スポンジです。

墓地は生け垣で囲まれていて、その生け垣のそばにお墓があります。そのため、枝葉が墓のほうまで伸びてきます。それらを枝切りばさみで剪定したあとで、雑草を汗だくになりながら、黙々と抜いていきます。それをやらないと、拝むスペースすらない状態です。

その後、墓石にペットボトルの水を掛けて、スポンジで磨きます。たぶん正式な墓石掃除のやり方があると思うのですが、わたしはかなりアバウトにやっています。結局、中くらいのゴミ袋3つに、雑草がパンパンになりました。それを自転車で自宅まで持ち帰り、燃えるゴミに出します。

お墓には最初に介護した祖母、わたしの兄の2人が眠っていて、一通り掃除が終わったら拝んで終了。たぶん8月14日頃に、母とお墓参りに改めて行くことになると思います。

東日本大震災の影響で、墓石が動きました。やっちゃいけないんでしょうけど、わたしは足で動くかチャレンジしてみたのですが、ビクともしません。それで墓石屋さんにお願いして、確か5万円くらいかけて墓石の位置を直し、ずれないように目張りもしてもらいました。

和尚さんと親族への準備

2つ目は、自宅に来る和尚さんと、親族への準備です。

来月は和尚さんが自宅に来て、お経をあげてくれます。お布施を渡さないといけないのですが、母はお布施をきちんと渡せません。額もタイミングも間違うか、下手するとお布施を渡さない可能性もあります。また少数ですが親族が来たときの対応も、みんな認知症であることは分かっているのですが、お茶菓子を出したりとか、そういう気遣いはできません。

遠距離介護のため、親族のところへご挨拶に行くこともできないので、来て頂いた方にはその場でお返しをしております。次回帰京したときは、東京でそのための和菓子を買ったりもします。

ある親族は、他の親族にお菓子だけ持たせるということをします。その家だけは、あとでご挨拶に行かないといけません。面倒だから止めて欲しいのですが、そもそも話を聞かない人だし厳しいだろうな・・・

皆さん、母が認知症だということは知っているので、1年ぶりに会う母の意外と普通な振る舞いに安心して帰られます。しかし、いろんなお膳立てがあっての普通です。それでも皆さんが安心して帰られると、なんだかわたしがホッとします。

父の一周忌

3つ目に加えてはいけないのかもしれませんが、父親の一周忌がそろそろやってきますので、親族のスケジュール調整なども行っています。

亡くなった父は、永代供養墓に入ってもらったため、祖母や兄が眠る墓とは分けました。家を出た人ですから、残されたわたしは分けて当然だと思っているのですが、魂になったら一緒でもいいと考える人もいるようです。和尚さんも、残された人がどうしたいかで決めたほうがいいと言ってました。

わたしは手を合わせるたびに、天国で祖母と父がケンカするイメージしか湧かないし、いずれ母がお墓で一緒になるなんてあり得ないという考えのもと、お墓を分けました。

来年は、祖母の七回忌もあります。父も祖母も何回忌までカバーしないといけないのだろうと・・・兄はもはやカウントしていないので、父も祖母も七回忌までかな・・・あくまで個人的にはそう思っています。

介護をされている方のお盆、いろんなエピソードありそうですね。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

くどひろ 様

お久しぶりです(^-^ゞ

うちも全く同じルーティンです。
お墓の草取りは5月に4袋、8月に多分3袋と掃除。
親戚へのお仏前はその場で渡せるように準備して(^_^;) しかも、お名前を書いておきます。そうでないと、来たのか渡したのかわからなくなるからです。

それと、お盆には夜に山車が出るのて母も何やら興奮するらしく、ご近所様に迷惑をかけないように行動を監視しなければなりません(T-T)

憂鬱なお盆です。ここ3年は…

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか