今日のお話は、自分への戒めでもあります。
家族の認知症介護をしている方が、自分の介護について誰かに愚痴るとき、自分に都合の悪い話はしないこともあります。
例えば、同じことを何度も言ったり、暴言を吐いたりする認知症の親の介護をしている人の愚痴を聞いているとき、愚痴を言っている人の情報からだけでは、聞いているほうも認知症の親のせい、症状のせいにしがちです。
しかし、次の5項目に当てはめて、もう一度愚痴を聞いたとき、それは認知症だけのせいじゃないのかも・・・と思うことがあります。
この記事のもくじ
認知症になる前から親の性格に問題があった
認知症になる前から、元々親の性格に問題があったというケースです。その性格がベースにあって、認知症になってしまったため、認知症でなくても親の扱いに苦慮していたという話をよく聞きます。
家族との関係が良くない
お義母さんとは、結婚当初から仲が悪かった。でも、配偶者に言われ、家族のため子どものために、やむを得ず認知症介護を引き受けてしまったというケースです。さらに旦那や妻とも仲が悪いと、状況は悪化します。
ここで認知症介護が始まるともう、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い状態になってしまいます。
親子関係が最悪だった
幼少期から親子関係が最悪で、本当は認知症になった親の介護なんてやりたくない。だけど見捨てられないというケースです。認知症の症状から、過去の親の言動と結び付けてしまって、イライラしてしまいます。
そもそも自分の性格に難がある
何か知らないけどいつも怒ってて、何かに対して憎んでいるケースです。そのひとつに認知症介護も加わってしまうと、やっぱりイライラしてしまいます。
自分の腹の虫がおさまらない時期だった
仕事に対しての不満、家族に対しての不満など、介護とは関係ないところでストレスを抱えることは、誰にでもあります。なんだか知らないけどイライラする、そんなとき家族が認知症だったとして、そのはけ口として使ってしまうケースです。
誰だって調子のいい時期、悪い時期はあります。調子がいい時期だと、認知症の親の言動がどんなでも許せてしまう。だけど、調子が悪い時期は、何をやってもうまくいかない。そこに認知症介護があったとしたら、つい・・・。
5項目をクリアにしながら話を聞ける人がいる
問診が丁寧で優秀な医師ならば、こういった背景まで聞いたうえで、ご本人と家族が納得する「適量な」お薬を処方してくれるはずです。この背景を見抜けず、抗認知症薬をモリモリ処方して悪化させることも・・・。
短時間の診察では難しいので、長い付き合いの中で家族関係や介護者の性格、家庭事情まで見抜く先生は、人間力がすばらしいのだと思います。
また、認知症カフェを運営している優秀なファシリテーターは、5項目をさりげなく聞き取って、自分なりに解釈し、いい落としどころを探ります。優秀なケアマネ、包括、その他介護職の中にも、きっといるはずです。
個人的には、1番目、3番目、5番目は結構多いかも・・という印象です。
わたし自身も先日、これは認知症の異常行動だ!と決めつけて後悔した話で書いたように、誰かに愚痴ったわけではないのですが、認知症のせいと決めつけて猛省したばかりです。日々の介護の中で、次第に冷静な自分でいられなくなることもありますが、ふと我に返ってみると実は・・なんてことがあるかもです。
認知症介護という貴重なチャンスを頂いたので、これをうまく活用して人間的に成長できればと思ってます。
今日もしれっと、しれっと。
私はいつのまにか、介護している自分を見ている、もう一人の自分と、二人体制でやれるようになりました。変な話ですが、気持ちだけが先走ってしまうことがセーブできたり、いざって時に、力がでたりで、いい感じです。
南の9月さま
理想の介護者だと思います。
これができるようで、なかなかできない方が多いから、皆さん悩みが多いのだと思います。
全く、その通り。
介護?というより、毎日人生修行。
ケアマネさんも、施設も、地域包括も、誰も、何もわかってくれない、、と、諦めるしかない。と、また愚痴。
なかなか、悟りの道は開けません。
匿名希望。さま
おっしゃるとおり、悟りの道を開くには、日々の人間修行が必要なようです。