離れて暮らす認知症の親の新型コロナウイルスワクチン予約で気づいた4つのこと

2月の遠距離介護の際、5月には新型コロナウイルスのワクチン接種のスケジュールが決まっていて、認知症の母の付き添いができるかも? と若干期待しておりました。

帰省中に岩手日報の記事をチェックしていたら、盛岡市民の77歳の母は7月12日接種開始となっていて、やはり滞在中はムリでした。しかし、母が通うものわすれ外来でワクチンが打てるかも? という朗報が入ってきたのです。

訪問看護で実家に来た看護師さんに、訪問診療でワクチン接種が可能ならその方向で、それができないなら、わたしの妹が母を連れてワクチン接種をすると伝えました。

ワクチン予約ネット争奪戦に東京から参戦する!と思っていたのでホッとしつつ、日程調整が始まったのですが、その中で気づいた4つのことをご紹介します。

帰省中にワクチン接種の日程が決まった!

帰京まであと1週間となったとき、病院から電話がありました。

6月中に2回の接種が可能なことが分かり、すぐ妹に連絡したら、たまたま2回とも仕事が休みで、すんなり予約が完了しました。あまりに急でしたが、母のワクチン接種がなにより最優先です。その代わり、デイサービスが2回お休みになります。

バタバタはしたものの、実にスムーズに予約完了できたわけです。盛岡市の医療機関では、かかりつけ医対応が多く、非常に助かりました。こちらのリンクに、接種場所が掲載されております。

接種後の付き添いは誰がやるのか?

気づいたことの1つ目は、接種後の付き添いです。

接種直後はアナフィラキシー対応のため15分病院で待機できますが、自宅に帰ってからの副反応も問題です。認知症の母ひとり、ワクチン接種のことなど忘れるので、本人的には体調不良になっても風邪と間違うと思うのです。

結局、接種日の夜は妹に泊まってもらって、健康観察をすることになりました。翌朝までは観察できますが、妹も仕事です。ちょうどその日の午後に訪問リハビリが入るので、作業療法士さんに何か異変があったら、東京に電話するようお願いし、ケアマネにも伝えました。

認知症でしかも離れて暮らす親のワクチン接種は、こういうところにも気を使わないといけません。

高齢者の副反応は少ない?

2つ目は、データ上では高齢者のほうが副反応が少ないということです。

朝日新聞のReライフ.net『ワクチン副反応、国内の状況は? 海外との違いは? 年齢で副反応に差?』という記事にあった画像を引用します。

引用元:https://www.asahi.com/relife/article/14333191(2021年4月23日、朝日新聞Reライフ.net)

元記事には全身倦怠感のデータもありますが、やはり高齢者ほど副反応が出る確率は低いようです。実際に接種した40代に聴くと、軽い筋肉痛、微熱という人や、全く問題なしという人もいました。

なので77歳の母で特に気になった熱は、2回目の接種のときに1割強の確率で起きるかもと考えるようになりました。データ的には、少しホッとしました。

認知症の人のワクチン接種意思確認

3つ目は、話題にもなっている認知症の人のワクチン接種の意思確認です。

母は新型コロナウイルスが世界中に広がっていることを、「瞬間的には」分かります。これまでの1年強の期間、遠距離介護中は毎日、ウイルスがどこで広がっていて、何が起こっているかの話をしていますが、認知症のためすぐ忘れてしまいます。

デイサービスの送迎車で、行きはわたしがマスクを着けさせるのでいいのですが、帰りは母が車内で勝手にマスクを外して、ゾッとするという経験を何度もしました。

それくらいの理解度ですが、母にワクチンの説明と副反応の可能性について、2日に分けて2回説明しました。あえて2日に分けたのは、毎日リセットされる母の頭の中で、答えが変わるかもと思ったからです。2回連続でダメ、あるいはOKなら、きっとそれは本心だろうという判断です。

母は2日とも、ワクチンを打つと言いました。この本人確認が正しいかどうかは別にして、なんとなく延命措置どうする?、余命告知する?しない? とエンディングノートを書くときに質問する、あの感じに近いなと思いました。

ワクチン接種済の人と未接種の人のルール決め

4つ目は、母の接種完了後の遠距離介護についてです。

おそらく次回の遠距離介護は、母や医療関係者は接種済で、わたしだけ未接種で帰省することになります。その場合、未接種のわたしが接種済の母と接触したら、介護保険サービスは2週間停止になるのか? 2か月近くあるので、それまでに回答を頂くようお願いしました。

わたしはすでに8月のビジネスホテルを予約済ですが、健康観察はどれくらいやるべきなのか? 接種済の人と未接種の人の交流で、介護がどう変化するのか、ルールに従って対応したいと思います。

一般の人でも、早い自治体だと7月から打てるかも?という情報があるので、できれば都内でワクチン接種してから帰省したいですが、8月の病院予約がしっかり入っているので、次回もビジネスホテルで健康観察かなぁ~。

音声配信voicyの最新回は、ある2つのエピソードを経験して認知症介護していてよかったと思えたお話です。話題の認知症映画『ファーザー』についても、話しました↓

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか