認知症の母が起きてくれない!遠距離介護中のある秘策

認知症の母の目覚めは比較的よかったのですが、最近はなかなか起きてくれず、デイサービスに行く日なのに、よく二度寝します。

わたしが帰省している最中であれば、寝室に行って母に声をかければだいたい起きてくれます。しかし、東京にいるときはそうはいきません。わたしが母を起こす際に行っているある秘策をご紹介します。

以前は固定電話を鳴らして起こしていた

以前は居間にある固定電話を鳴らして、母を起こしていました。

寝室は居間の近くにあるので、割と大きい電話の音で母はすぐに目を覚ましてくれました。ところが数年前から、この方法では母が起きなくなったので、別の方法に切り替えました。その方法とは、見守りカメラを使った声掛けです。東京の自分のスマホに向かってわたしは、

くどひろ

今日はデイサービスの日ですよー、起きてくださいー

というと、実家の寝室にある見守りカメラからわたしの声が出て、母はその声に反応して起きる仕組みです。最初は母をビックリさせたくないから、この機能は使っていなかったのですが、最近はわたしのカメラの声と普通に会話するので、頻繁に使っています。

母が起きないと家じゅうの鍵が開かないので、ヘルパーさんや薬剤師さんが入ってこられません。なのでわたしはいつも、ヘルパーさんがいらっしゃる1時間前から声掛けを続けるのですが、1時間経っても起きてくれず、生存しているかどうか焦ったことも何度もあります。

何かいい方法はないか考え、こんな声掛けに変えました。

母が起きやすい声掛けにした

くどひろ

玄関の鍵を開けてくださーい、ヘルパーさんが入ってこれないよー

昔から責任感の強い母なので、こういう声掛けにはすぐに反応してくれます。誰かを困らせてはいけない、そんな思いからムクっと起き上がって、玄関に行って鍵を開けてくれるようになりました。

声掛けはそれなりに効果はあったのですが、母は鍵を開けると安心してか二度寝してしまいます。二度寝が始まるとわたしの声掛けに全く反応しなくなるので、あとはヘルパーさんに起こしてもらうしかないのですが、目的は達成しているのでしばらくこれでいきます。

今日もしれっと、しれっと。


【2024年講演会予定】
11/4(月祝)岩手県紫波町 → 講演の詳細はこちら

にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか