可能な限り在宅介護でいくつもりでも介護施設はしっかり検討している話

昨年末に認知症の母が捻挫したときや、今年要介護2から要介護3になったタイミングで、家族内でも担当ケアマネさんとも介護施設について話し合いだけはしています。

母本人とは認知症が進行する前に何度も話しあっていて、できる限り自宅で暮らしたいという希望でした。ただわたしや妹の介護負担が重くなるようなら、介護施設に入ってもいいと言われています。

わたし自身もボロボロになるまで介護はやりたくないので、そうなる前に介護施設の選択をすると思います。その選択についても、母と毎年更新しているエンディングノートで何度も本人の意思を確認しているので、ある程度は納得して施設を選択することになるはずです。

ただ最期まで自宅で暮らすチャレンジをする気はあるので、どんな介護態勢づくりで乗り切るかは、その都度考えていくつもりです。

具体的な介護施設の候補

要介護3になってもすぐには入れませんが、特別養護老人ホームも話し合いの中で候補に上がりましたが、情報を集めた結果、値段の高くない介護付き有料老人ホームを検討しています。

コロナ禍で施設見学には行けていませんが、まずは家族だけでもどんなところか行ってみるつもりです。母が急に倒れて自宅での生活が難しくなって慌てて介護施設を検討するよりも、余裕を持っておいたほうがいいという思いもあって、いずれ見学だけは行きます。

母本人を今連れて行くと、おそらく自分が施設に入るかもしれないと認識はできるので、それはまだやりません。その時のイヤなイメージが残り、何度も繰り返し「わたし、あの施設に入るの?」と言われるような気もしますし、その繰り返しは何よりも切ないので止めます。

介護施設に入ったあとの覚悟

認知症が重度まで進行していても自宅で暮らせる理由は、20代から住んでいる自宅の間取りを母が体で覚えているからだと思います。テレビのリモコン操作やエアコン操作は微妙でも、トイレの場所や寝室の場所は体が勝手に反応するので、自分の力で行けます。

介護施設に入ってしまうとこうした自立がある程度奪われることは、覚悟しなけれなりません。裏を返せば自立できていることが多いうちは、在宅でねばる覚悟でいるということです。

冷蔵庫を開ける、包丁でリンゴをむく、化粧をする、服を探す、仏壇で祖母を拝むなど、今できている日常生活のあらゆる動作をキープしたいのが本音です。それがなくなってしまうと認知症は一気進行してしまうので、元気なうちはこのままいきたいです。

ただ病気やケガがきっかけで、一気に状況は一変する覚悟も80歳が近くなった今、しておかないといけないので、準備はしているというお話でした。

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7件のコメント

最近、実母が体調を崩し
数件以上の病院に連絡をしましたが高齢者ということでかかりつけ医でさえコロナ禍ということで受診を断られました。この先、更に年齢は重なり体調も悪くなるであろうと思ったらやはり個人の力や考え方、行動ではムリもあるだろうし、かえって
長く幸せに安心して生活できる環境にお願いしたほうが実母のためなのかなと考えていますが、、

リツさま

はい、そういう考えもあると思います。

介護施設の経営方針、スタッフの質、他の利用者との相性、金銭面、何より親が気に入る環境かどうかなど、これらが在宅介護する以上にうまく噛み合ってくれるのなら早めの施設入居も考えるのですが、うちの場合はうまく噛み合いそうにないですし、きっと後悔することになるのでこのような道を選択しております。

くどひろ様、折返しのご回答ありがとうございます
在宅介護3年目、デイ、ショートなどケアマネさんと相談しながら手探りの日々の介護です笑
超高齢者90歳なので体調面がやはり心配ということで介護施設もアリかなと思っていたところに今回のブログを発見しました
ありがとうございます

いつもブログ拝見しています。

在宅と施設の考え方、同感です。

一つ参考までに聞かせて下さい。
特養ではなく、介護付き有料老人ホームでと考えているのは、どのような理由からでしょうか?

値段でいうと、特養の方が安いイメージがあります。

ショートの利用や、小規模多機能かグループホームなど、他の選択肢もお考えですか?

匿名希望さま

ブログ読んで頂き、ありがとうございます。
確かに特養のほうが安いのですが、わたしが考えている介護付き有料老人ホームはそれほど高くはありません。特養を避けた理由は、大変お世話になって信頼できる介護職の皆さんが揃ってオススメしなかったからです。ひとりでもあの特養はいいよ!って言ってくれる人がいれば違ったのですが、そうはならず……。グループホームも検討したときにはもちろん出てきましたが、結局この答えに今のところはなっています。

ショートの利用は常に考えていますが、今のところ母の夜間の介護はそれほど必要ないので利用していません。

くどひろさま

私の母はアルツハイマー型認知症で、5年前から有料老人ホームにお願いしています。
家に帰りたいと言われると、切なく辛いです。
どうか、くどひろさまのお母さまが、出来るだけ長くご自宅で過ごせますように。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか