どうしてこうなった? 認知症の母の寝室で首をかしげた話

在宅介護中の朝の日課は、母の朝食を作って歯みがきや顔を洗うための準備、お薬の準備、洗濯、寝室の布団を上げて、ポータブルトイレの掃除などをします。この前、母の寝室にあるポータブルトイレを掃除していたら、初めて見る状態に首をかしげてしまったのです。

寝室にあるポータブルトイレ

ポータブルトイレの掃除の手順

ポータブルトイレの掃除は、まず手にビニール手袋をして、トイレクイックルを半分に切ってから始めます。

その日はポータブルトイレのふたがちょっと汚れていたので、トイレクイックルで拭き取りました。ふたを開けると中にバケツが入っていて、そのバケツに処理袋をかぶせています。処理袋にはいつも尿が入っているので、バケツから袋を外して袋を縛ってゴミに捨てて終わりです。

ところがこの日は、処理袋に尿が入っていません、でも尿のニオイは、いつもよりも強く感じるという不思議なことが起きていたのです。尿が入ってないのに、臭いってどういうこと?

ポータブルトイレの中のバケツに処理袋をかぶせる

ニオイの元を探ると、いつもは汚れていないポータブルトイレの後ろ側が尿で濡れていました。でも少量でニオイの元とはいえません。さらに探すとバケツの下の部分が尿で濡れていて、バケツを引き上げると、ポータブルトイレ本体に尿がしっかり溜まっていたのです。

何をどうやったら、バケツの下に尿が溜まるのか? まさか母が夜間にバケツを外して、その中に尿をしたのか? いくら考えてもこの状況にはならないので、録画された見守りカメラを見て、母の行動を確認することにしました。

処理袋は汚れずにバケツだけ尿で汚れていた理由

母が夜中に起きてポータブルトイレに座ろうとした瞬間に、フタがパタッと閉まったのです。普通ならそこでフタを開けてから用を足すのですが、母はフタが閉まったことを気にせず、そのまま用を足してしまったようです。

原因は分かったのですが、それでもなぜこんな汚れ方になったのかはさっぱり分かりませんでした。フタが閉まっていたのならポータブルトイレの周りが、尿で汚れてもいいのではと。フタの上に尿をして、どうやったらバケツの下にたまるのか、トイレの構造が分かりませんでした。

今後もフタをしたまま尿をする可能性もあるので、福祉用具専門相談員さんに聞いたところ、ポータブルトイレのフタは外せるそう。いっそのことフタを外そうかなとも思ったのですが、その後は同じ事象は起きていないので、このままいこうと思っています。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか