心折れかけた大量の便失禁処理。でもたった1時間で復活した理由

おむつが臭わない袋 BOS

遠距離介護を終えて帰京しました。盛岡の朝晩は、すっかり秋めいてきましたよ。

夕食を作り終えたあと、母の落ち着きがなかったのでリハパンを確認。少し便が付着していたのですが、ご飯が冷めてしまうので食べたあとにおしりふきで母のお尻を拭いて、便のついたリハパンを交換しました。

2階の自分の部屋に戻って仕事をしながら、1階の母の様子を見守りカメラでチラチラと見ていたら、母が寝室横のフローリングの上で履き替えたばかりのリハパンを下ろそうとしていたので、何事と思って1階に駆けつけたら、そこには大量の軟便が広がっていました。

母を責めてもしょうがないと分かってはいるけど

リハパンを交換して1時間も経たないうちに、また交換するはめになったわたしは、責めてもしょうがない母を責めました。

くどひろ

トイレはここじゃないでしょ、トイレはあっちでしょ!

便の量がすごいので、ニオイもきつい。さすがに心が折れる状況。たまらずマスクをして、ニオイを防御しました。こういう場合は便の処理より先に、母を何とかしないといけません。

1時間前にもやったおしりふきで再び母のお尻を拭き、太ももやふくらはぎの汚れはからだふきで拭いたあと、汚れたズボンと靴下を脱がせ、新しいリハパンを履いてもらったあと、手に便がついている可能性があったので洗ってもらって、母を居間に戻しました。

こういうときの母は強気で失禁を認めずに言い訳が多くなるのですが、目の前で処理するわたしの姿と強烈なニオイで自分がやったものと気づいたようで、珍しくしゅんとしていました。

畳の上でなくてよかったと思いながら、フローリングの便をしれっと処理。これまでの処理の中で3本の指に入る手強さでしたが、無事終了。ところが白地のカーテンに少し便が飛び散っていたので、ブログでおなじみの消臭ストロングを使ったところ、すぐシミは消えました。

そして寝室の窓を全開にして、母が寝るまで便のニオイを逃がし続けたのです。

状況を確認するために映像で振り返る

すべて処理が終わったあと、母の行動を見守りカメラの映像で振り返りました。

すると母は認知症でトイレの方向を間違えたわけではなく、寝室で自分の靴下を探していたら突然便意が襲ってきて、リハパンやズボンを汚すまいとフローリングの上にぶちまけたようでした。リハパンを汚してくれたほうが、まだよかったかもしれません。

肛門括約筋が著しく弱っている母は、肛門をキュッとできないので我慢できません。今まではリハパンの汚れでしか確認できなかったのですが、映像を見て状況を理解しました。便失禁は昭和の時代に子供を3人産んだ勲章でもあるので、これで日常生活を送るのは大変だと思います。

そして昼間に食べた久しぶりの回転ずしがいけなかったのかもなど、いろいろ考えました。

こうして便失禁の理由が明確になるにつれ、心折れるどころかこの便失禁はしょうがないと思うようになり、わたしも次第に笑顔に戻っていったのです。

ということで、今までおむつが臭わない袋でおなじみのBOSは小さいサイズしか使っていなかったのですが、今回から大きいLLサイズをamazonで購入しました。外出先でリハパンの処理に困ったとき、この袋に入れればニオイは一切しない優れものです。

おむつが臭わない袋 BOS
新しく購入したBOS

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか