「無重力は寝たきりと同じ」宇宙から介護を学ぶ

宇宙医学 寝たきり

昨日Yahoo!トップニュース、新田恵利さんのお母さんの介護の関連記事としてとりあげられました!

宇宙飛行士が地球に帰還した直後、たくさんの人に抱えられて運ばれていく映像を見た事ありますよね?宇宙飛行士の古川聡さんは以前、このようにつぶやきました。

この話が実は 「寝たきり」 とリンクしているんです。向井千秋さんがJAXAのホームページで、古川さんのいう軟体動物の例えを科学的に話されています。

宇宙に滞在する飛行士は高齢者の骨粗しょう症患者の約10倍の速さで骨が弱くなってしまいま す。およそ4ヶ月半の宇宙長期滞在を行なった若田宇宙飛行士は、毎日2時間の運動をしていても、残りの22時間は地上で寝たきりの状態と同じなのです。一方で、地上にいる私たちは運動していないときでも、手を持ち上げたり、ペンを持つだけでも重さに抵抗しています。いつも重力を身体に受けているのです。人 間にとっての適正重力が1Gかどうかはまだ分かりませんが、ある程度の重力がないと私たちは健康な生活ができません。
引用元:http://www.jaxa.jp/article/interview/vol47/index_j.html

無重力空間は 「寝たきり」 を作り出す空間で、筋肉も骨も恐ろしいスピードで弱らせます。そこで古川さんのような宇宙飛行士は帰還後はNASAでリハビリをして、通常に戻すということをしています。われわれは、無意識のうちに重力の中で生活しているだけで、骨と筋肉にはいいんですよね。

「宇宙医学」という学問

最近読み込んでいる生活不活発病の本に、実は「宇宙医学」が出てきます。生活不活発病の研究が、宇宙医学と密接な関係を持っていて、いずれ宇宙飛行士のトレーニングが生活不活発病予防になる日も近いと言われています。

遠距離介護で独居中のご家族がいらっしゃったり、うちのように認知症で手足が不自由なので活動量が減ったりといった状況にある人は、最優先で生活を活発にしてあげる施策を打たないと、宇宙に行ったようになってしまうのです。

介護と宇宙、この切り口で書いている人はいないだろう・・・そう思ってたら、HELPMAN JAPANさんがすでに書かれてました、さすがです。大人用おむつはNASAが開発したって、知ってました?

今日もしれっと、しれっと。


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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか