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認知症の母がひとりでご飯を完食できるよう考え続けてみつけた答え

母がひとりで食事をするとき、完食が難しくなりました。ちなみにわたしと一緒に食事をするときはモリモリ食べて、いつも完食します。その理由と新しい対策を考えてみました。

食事中落ち着きがない母

母は食事中、とにかく落ち着きがありません。ジュースのパッケージに書いてある文字を読むために上や下や横を見たかと思えば、なぜか料理が入っているのに皿の裏側を見ようとしてこぼしそうになるので、わたしが注意して止めます。

何度も注意しながら完食に導くのですが、ひとりになると注意する人がいません。一口食べたかと思えばジュースのパッケージの文字を見て、皿の裏側を見て、寝室へ行って着替えて、途中でパンを置きっ放しにして忘れるとか、ビニールに包まれたパンが分からないのか、片付けて食べないとかとか。

介護職の皆さんが母の目の前に食事を用意してくれても、何も手をつけずに片づける日もあって、これはどうしたらいいものかとしばらく考えていました。

そうしている中で、ある介護職の方の食事の提供のときだけ、母はしっかり完食をすることに気づいたのです。

すぐ見て分かる、食べられる状態にする

その方はシンプルにお皿の上にパンを乗せて、ジュースのストローもさした状態で置いてくれます。ただそれだけなのですが、他の方よりも完食率が高くなります。

わたしが握ったおにぎりも、ラップの中に何が入っているのか分からなかったのか、そのままゴミ箱に捨てたり、他の場所に片付けたりしてほとんど手をつけませんでした。

ジュースのストローをなくしたり、穴に刺せなかったりして、途中でハサミを持ってきて切ろうとしていた日もありました。

母ひとりの食事の場合は、見てすぐに食べ物と分かる状態にして出さないと、どうやら完食しないようです。1年くらい前はそうではなかったので、こういうところでも認知症の進行を感じます。

あとはバナナのように、直感で食べられるものがよさそうです。あとは完食へのこだわり過ぎに、わたしが注意しないといけないとも思っています。いつか食べられなくなる日もくるわけなので、そこはバランスを取りたいですね。

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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